2016(H28)入試分析 算数 灘中学校(1日目)
2016.01.18 19:29|入試問題分析(算数)|
また2016年の入試問題ピックアップ記事の時期がやってきました。
今日は、灘中学校(1日目)算数に目を向けてみましょう。
と、その前に数情報に目を向けてみましょう。
実質倍率は(H24)2.81⇒(H25)2.81⇒(H26)2.97⇒(H27)2.61⇒(H28)2.67
と去年とほぼ変わらない感じでした。
ただ、合格最低点は満点の6割を切る296点。
受験者最高点も満点の8割で401点。
低い得点の中に受験者が圧縮されているので、ボーダー付近の入れ替わりも激しかったことでしょう。
全教科難しかったようですが、算数・理科が特にきつかったようです。
中でも算数1日目の点数に目を向けると,
受験者平均が(H24)66.5⇒(H25)45.0⇒(H26)57.2⇒(H27)41.9⇒(H28)42.7
合格者平均が(H24)79.4⇒(H25)58.6⇒(H26)73.3⇒(H27)54.4⇒(H28)54.8
去年に続きキツイですね・・・
小問15or16問のうち最悪でも7問,8問でまずまず,9問で貯金ができるくらいの計算になりますが,
当然,試験中にはそんなことはわかりません。
一通り解いた時点で解答欄の半分しか埋まっていなかったら恐らく絶望的な気持ちになる子がほとんどでしょう。
普段からキツイ問題にあたっておいて、ある意味そういう状況に慣れておいた方がよいのかもしれません。
去年も書きましたが、精神的な強さが全教科にわたって(特に算数)求められるという傾向が強くなっているように感じます。
1日目の算数の難易度をつけると、(灘を受けるレベルの子から見た難易度☆~☆☆☆☆☆で5個が最高レベル。)
1番☆
2番☆
3番☆☆
4番☆☆☆(片方合わせるだけなら☆☆)
5番☆☆☆(①だけなら☆☆)
6番☆☆☆☆☆(としましたが、子供は意外とゴリゴリ計算して力づくであわせるかも?)
7番☆☆☆☆(片方合わせるだけなら☆☆☆)
8番☆☆☆
9番☆☆☆
10番☆☆☆☆
11番☆☆☆☆(①だけなら☆☆☆)
当然、得意単元・不得意単元によって変わるでしょうが、こんな感じでしょうか。
☆☆以下の5問ほどを確実にあわせて、☆☆☆の6問の中から半分取れれば勝負できる位置に行ける計算です。
捨てるべきをしっかり捨て、取るべきをしっかり取る。当たり前のことですが、なかなか実践するのは難しいですね…
では、今回は10番の問題を取り上げてみましょう。
(問題)H28 灘中学校 算数(第1日) 大問10番
右の図の三角形ABCにおいて,2本の直線ADとBEは点Fで垂直に交わっています。また,
(BDの長さ):(DCの長さ)=3:2
(ABの長さ):(CFの長さ)=3:2
です。このとき,FDの長さはAFの長さの( ① )倍で,四角形FDCEの面積は三角形ABCの面積の( ② )倍です。

パッと見たときに、どのように手をつけてよいか判断しにくい問題です。
問題文で与えられている比がいずれも「3:2」であるというところに着目し、それをどのように使うのかというような考え方が
できれば、手が動き出すかもしれません。
( ① )
まずは3:2を図の中に書きこんでみましょう。
赤の線を動かさずに、青の線の一方の端をFDの延長上に移動することでちょうちょ型の相似を作ることができます。

移動の仕方は2通り思いつくんじゃないかなと思われます。

ここまで見ると大差ないのですが、新しくできた二等辺三角形に目をやると、左の図の方が直角マークが活きてくるというのが
わかりますね。はじめから左で考えた子はいいのですが、右で考えた子はなんかうまくいかないなぁというときに
パッと考えを切り替えられたかが試されたのではないでしょうか。左の図より、2/5が答えです。

※ちなみに、右で強引に進めても解けないわけではないです。
( ② )
元々与えられた比と(①)の答えより,下の図のような4つの三角形の比が6:4:15:10になっていることはすぐにわかりますね。

AE:EC=15:(6+4)=3:2ですから,求める答えは(10×2/5)÷(6+4+15+10)=8/35となります。
問題文に同じ比が与えられているのを見て違和感を感じることができるか,正しいと思って進んだ道が違ったときに,
全て戻り切らずに似たような道をすぐに見つけ出すことができるかなどが問われてる問題でした。
普段は「ひらめき」という言葉だけで片付けられてしまいそうなところですが,
そこで一歩踏み込んで「なぜそう考えたらよいのか」という理由を追及しておくことや,
別解がないかということを追及しておくことがこういうところで活きてくるかもしれませんね。(池)
今日は、灘中学校(1日目)算数に目を向けてみましょう。
と、その前に数情報に目を向けてみましょう。
実質倍率は(H24)2.81⇒(H25)2.81⇒(H26)2.97⇒(H27)2.61⇒(H28)2.67
と去年とほぼ変わらない感じでした。
ただ、合格最低点は満点の6割を切る296点。
受験者最高点も満点の8割で401点。
低い得点の中に受験者が圧縮されているので、ボーダー付近の入れ替わりも激しかったことでしょう。
全教科難しかったようですが、算数・理科が特にきつかったようです。
中でも算数1日目の点数に目を向けると,
受験者平均が(H24)66.5⇒(H25)45.0⇒(H26)57.2⇒(H27)41.9⇒(H28)42.7
合格者平均が(H24)79.4⇒(H25)58.6⇒(H26)73.3⇒(H27)54.4⇒(H28)54.8
去年に続きキツイですね・・・
小問15or16問のうち最悪でも7問,8問でまずまず,9問で貯金ができるくらいの計算になりますが,
当然,試験中にはそんなことはわかりません。
一通り解いた時点で解答欄の半分しか埋まっていなかったら恐らく絶望的な気持ちになる子がほとんどでしょう。
普段からキツイ問題にあたっておいて、ある意味そういう状況に慣れておいた方がよいのかもしれません。
去年も書きましたが、精神的な強さが全教科にわたって(特に算数)求められるという傾向が強くなっているように感じます。
1日目の算数の難易度をつけると、(灘を受けるレベルの子から見た難易度☆~☆☆☆☆☆で5個が最高レベル。)
1番☆
2番☆
3番☆☆
4番☆☆☆(片方合わせるだけなら☆☆)
5番☆☆☆(①だけなら☆☆)
6番☆☆☆☆☆(としましたが、子供は意外とゴリゴリ計算して力づくであわせるかも?)
7番☆☆☆☆(片方合わせるだけなら☆☆☆)
8番☆☆☆
9番☆☆☆
10番☆☆☆☆
11番☆☆☆☆(①だけなら☆☆☆)
当然、得意単元・不得意単元によって変わるでしょうが、こんな感じでしょうか。
☆☆以下の5問ほどを確実にあわせて、☆☆☆の6問の中から半分取れれば勝負できる位置に行ける計算です。
捨てるべきをしっかり捨て、取るべきをしっかり取る。当たり前のことですが、なかなか実践するのは難しいですね…
では、今回は10番の問題を取り上げてみましょう。
(問題)H28 灘中学校 算数(第1日) 大問10番
右の図の三角形ABCにおいて,2本の直線ADとBEは点Fで垂直に交わっています。また,
(BDの長さ):(DCの長さ)=3:2
(ABの長さ):(CFの長さ)=3:2
です。このとき,FDの長さはAFの長さの( ① )倍で,四角形FDCEの面積は三角形ABCの面積の( ② )倍です。

パッと見たときに、どのように手をつけてよいか判断しにくい問題です。
問題文で与えられている比がいずれも「3:2」であるというところに着目し、それをどのように使うのかというような考え方が
できれば、手が動き出すかもしれません。
( ① )
まずは3:2を図の中に書きこんでみましょう。
赤の線を動かさずに、青の線の一方の端をFDの延長上に移動することでちょうちょ型の相似を作ることができます。

移動の仕方は2通り思いつくんじゃないかなと思われます。

ここまで見ると大差ないのですが、新しくできた二等辺三角形に目をやると、左の図の方が直角マークが活きてくるというのが
わかりますね。はじめから左で考えた子はいいのですが、右で考えた子はなんかうまくいかないなぁというときに
パッと考えを切り替えられたかが試されたのではないでしょうか。左の図より、2/5が答えです。

※ちなみに、右で強引に進めても解けないわけではないです。
( ② )
元々与えられた比と(①)の答えより,下の図のような4つの三角形の比が6:4:15:10になっていることはすぐにわかりますね。

AE:EC=15:(6+4)=3:2ですから,求める答えは(10×2/5)÷(6+4+15+10)=8/35となります。
問題文に同じ比が与えられているのを見て違和感を感じることができるか,正しいと思って進んだ道が違ったときに,
全て戻り切らずに似たような道をすぐに見つけ出すことができるかなどが問われてる問題でした。
普段は「ひらめき」という言葉だけで片付けられてしまいそうなところですが,
そこで一歩踏み込んで「なぜそう考えたらよいのか」という理由を追及しておくことや,
別解がないかということを追及しておくことがこういうところで活きてくるかもしれませんね。(池)
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