2016(H28)入試分析 算数 灘中学校(2日目)

2016.01.23 11:07|入試問題分析(算数)
今回は灘中学校(2日目)の算数、こちらを見てみましょう。

算数2日目の点数に目を向けると,
受験者平均が(H24)71.4⇒(H25)54.9⇒(H26)49.7⇒(H27)52.7⇒(H28)50.8
合格者平均が(H24)86.2⇒(H25)70.3⇒(H26)63.9⇒(H27)64.6⇒(H28)61.2
去年に比べて少々難化。
2日間の合計点情報を見てもここ5年で一番低いですから,算数の力が
中途半端な子にはしんどい試験ですね。

では、今回は4番の問題を取り上げてみましょう。
(問題)H28 灘中学校 算数(第2日) 大問4番
9桁の整数123456789をA とします。また,A の各桁の数から2個を選び,それらを入れ替えてできる9桁の整数を考えます。
このような9桁の整数は全部で36個あり,これらを小さいものから順に①,②,…,㊱とします。
例えば,①=123456798,②=123456879,③=123456987,⑨=123486759,㊱=923456781です。
以下では,①,②,…,㊱からA を引いて得られる36個の整数①-A ,②-A ,…,㊱-A を考えます。例えば,
①-A =123456798-123456789=9,②-A =90,㊱-A =799999992です。
(1) 36個の整数①-A ,②-A ,…,㊱-A のうち,1000で割り切れるものは何個ありますか。
(2) 36個の整数①-A ,②-A ,…,㊱-A のうち,37で割り切れるものは何個ありますか。
(3) これら36個の整数をすべてかけて得られる整数(①-A )×(②-A )×…×(㊱-A )は3で最大何回割り切れますか。
例えば,810は3で最大4回割り切れます。


(1) 入れ替えた数から元の数(123456789)を引くと1000で割り切れる⇒引き算をしたときに下3桁が0になるということですから,
7,8,9は入れ替えてはいけません。1,2,3,4,5,6の6つから入れ替える2つを選べばよいので,6C215個となります。

(2) 灘中を受ける諸君であれば,
「XYという2桁の数を入れかえてYXとしたときにYX-XY=(Y×10+X)-(X×10+Y)=(Y-X)×9だけ大きくなる(X<Y)」
という,位取りの考え方を利用する問題を今まで見たことがあるかと思います。今回はそれに通じる問題です。

例えば,例で示されている,①-A =9,②-A =90を見てみましょう。
①-A =9の場合,8と9が入れ替わっているので(9×10+8)-(8×10+9)=(9-8)×9=9ふえています。
②-A =90の場合,7と8が入れ替わっているので(8×100+7×10)-(7×100+8×10)=(8-7)×90=90ふえています。
この後も,7と6の入れ替えでは900,6と5の入れ替えでは9000,・・・ふえることがわかりますね。
つまり,1桁ずれたところを入れかえると,1×9×10^n(n=0~7)とふえることになります。
※10^nは10をn回かけるということです。10^0では10をかけません。10^1は×10を,10^2は×10×10を表します。

では,2桁ずれたところだとどうなるでしょう?
例えば,9と7を入れ替えた場合,(9×100+7)-(7×100+9)=(9-7)×99=198ふえます。
さらに,8と6を入れかえた場合,(8×1000+6×10)-(6×1000+8×10)=(8-6)×990=1980ふえます。
この後も,7と5の入れ替えでは19800,6と4の入れ替えでは198000,・・・ふえることになります。
つまり,2桁ずれたところを入れかえると,2×99×10^n(n=0~6)とふえることになります。

これらをまとめると,
1桁ずれ⇒1×9×10^n (n=0~7)
2桁ずれ⇒2×99×10^n (n=0~6)
3桁ずれ⇒3×999×10^n (n=0~5)
4桁ずれ⇒4×9999×10^n (n=0~4)
5桁ずれ⇒5×99999×10^n (n=0~3)
6桁ずれ⇒6×999999×10^n (n=0~2)
7桁ずれ⇒7×9999999×10^n (n=0~1)
8桁ずれ⇒8×99999999×10^n (n=0)
となりますが,これらのうち,37で割り切れるものがいくつあるかという問題です。
すると,37で割り切れる可能性があるのは真ん中の太字部分だけですから,3桁ずれの場合と6桁ずれの場合が該当しますね。
6+3=9個が答えとなります。
※「37×3=111」というのを頭の片隅から引っ張ってこれれば処理時間は短縮できますね。

(3) (2)のところで丁寧な分析ができていれば,取り組みやすいんじゃないかと思います。
3で割り切れる可能性があるのは上記の太字部分と,初めの3と6ですね。
1桁ずれ⇒9は3で2回割り切れるので,2×8=16回
2桁ずれ⇒99は3で2回割り切れるので,2×7=14回
3桁ずれ⇒999は3で3回割り切れ,頭に3×がついているので,(1+3)×6=24回
4桁ずれ⇒9999は3で2回割り切れるので,2×5=10回
5桁ずれ⇒99999は3で2回割り切れるので,2×4=8回
6桁ずれ⇒999999は3で3回割り切れ,頭の6×で1回割り切れるので,(1+3)×3=12回
7桁ずれ⇒9999999は3で2回割り切れるので,2×2=4回
8桁ずれ⇒99999999は3で2回割り切れるので,2×1=2回
よって,16+14+24+10+8+12+4+2=90回となります。

こうやって書いてしまうと,ずいぶんとシンプルに見えますが,実際に問題を解くときには色々書き残しながらやるため,
いざまとめる段階になると,どこに何を書いているのかごちゃごちゃになって混乱してしまう子がほとんどでしょう。

このブログの記事を含め,解説記事というのは答えが分かった上で「どのように見せるか」ということを念頭に置いて
作られていますから,答えがわからずに解いている段階でここまでシンプルにまとめることができることはそうありません。

ただ,少しでも混乱しないようにするためには,普段から,どこに何を書いたかわかるようにしながら丁寧に取り組む,
特に重要なことは別の場所にきちんと整理して書いておくなど,問題に対する取り組み方がとても重要になります。

解説などから直接吸収できるのはあくまで考え方,その考え方をどのように自分の答案に反映させていくのかは
別のところにありますので,前者だけに偏らず,両方に目を向けましょう。(池)
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