筑波大学附属駒場中学校 算数 問題 解説&入試分析★2016年(H28年)
2016.04.01 11:45|入試問題分析(算数)|
自由が丘校の畠田です。
今年度もよろしくお願いします!
今回は筑波大学附属駒場中学校の問題です。
受験者数786人で合格者127人の倍率6.19倍
算数、国語、理科、社会、調査書、各100点ずつの500点満点
最高394点、最低329点
算数は大問4問40分です。
その場で規則性を見つける問題がよく出題され、典型問題であっても短い時間でも複雑な計算や整理をすることを
求められています。どの問題もよく考えられて作られていますね。
それぞれの問題を見ていくと
○大問1 位によって繰り上がり数が違う問題(7進法と5進法と3進法と2進法の混合)です。(1)(2)は確実に得点し、
(3)からが勝負の分かれ道です。
8の倍数は下3桁が8の倍数になるときです。まず、一の位は偶数なので0に決定。一の位が0である8の倍数の十の位は
偶数なので0か2のいずれかです。□00となる8の倍数は200と400、□20となる8の倍数は120と320ですから、千の位まで
含めると最も大きい数は6400、最も小さい数は120となります。
(4)はこれを踏まえると、 ※( )内は10進法になおした数です。
120(=10)→200(=12)に2回
200(=12)→320(=22)に10回
320(=22)→400(=24)に2回
400(=24)→1000(=30)に6回
1000(=30)→1120(=40)に10回、
で以下、2回、10回、2回、6回、10回のくりかえしになるのですが、0は8の倍数に含まないという条件があるので、
6400(=204)→120(=10)のところは6+10=16回となることに注意しましょう!
○大問2 今回はこの問題を取り上げます。
○大問3 Pは反時計回りに60°/分、Qは反時計回りに120°/分、Rは時計回りに180°/分、進むとできます。
Pから見るとQは反時計回りに120°-60°=60°/分,Rは時計回りに180°+60°240°/分進みますね。
よくある速さの問題なので練習をよくしておきましょう!
○大問4 図形の比の問題です。
面積の比で考えましょう。
(1)

全体から青の三角形4つを引くと求められます。
(2)

△ADEより③+[2]=24、△AFGより①+[4]=16
ここから消去算で⑤+[5]を求めて全体から引きましょう。
(3)

直角を利用するには30°60°の直角三角形の辺の比が2:1になる性質ぐらいしかなさそうです。
△AGEより[2]+③+①=32、△ADFより[2]+[3]+[1]+③=72
ここから同じように消去算で⑤+[5]を引くと求められます。
それでは大問2を見ていきましょう。
(問題)H28 筑波大学附属駒場中学校 大問2
正多角形の内側にいくつか点があるとき、正多角形の頂点やこれらの点をまっすぐな線で結び、正多角形の内側を
できるだけ多くの三角形に分割します。ただし、頂点や内側の点を結ぶ線は交わってはいけません。
また、内側の点が3個以上一直線に並ぶことはありません。
正三角形の内側にいくつか点があるとき、たとえば図のように三角形に分割できます。
なお例1では、内側にできた三角形の個数は7個です。

次の問いに答えなさい。
(1)次のそれぞれの場合で、内側にできる三角形の個数を求めなさい。
(ア)正方形と4点
(イ)正五角形と5点
(2)正2016角形と28個の点のとき、内側にできる三角形の個数を求めなさい。
(3)正多角形の頂点の個数と内側の点の個数が等しいとき、内側に2016個以上の三角形ができました。
このような正多角形のうち、最も頂点の数が少ないものは正何角形ですか。
[解説]
(1)
分割の仕方は色々あるので、例を2つ紹介します。
例1,
①まず内側に1点を書いて全ての頂点と結ぶ。

②次にどこかの三角形に1点を追加して頂点と結ぶのを繰り返す。

例2,
①まず内側に正多角形を書き、外側と内側のそれぞれの頂点を結んで三角形にする。

②内側の多角形を対角線で三角形に分割する。

どちらでも(ア)は10個、(イ)13個となります。
(2)
例1の分割の仕方では
①まず内側に1点を書いて全ての頂点と結ぶ→2016個に分割
②次にどこかの三角形に1点を追加して頂点と結ぶのを繰り返す→三角形が2個ずつ増える
2016+27×2=2070個
例2の分割の仕方では
①外側と内側のそれぞれの頂点を結んで三角形にする→外側と内側の辺の数2016+28=2044個だけ三角形に分割
②内側の多角形の対角線で三角形に分割する→28-2=26個に分割
2044+26=2070個
どちらでも2070個になります。
本番ではこのように規則性を見つけて、そのまま答えとして書いてしまってもよいでしょう。
ただ本当にこれで最大値と言えるのか疑問ですよね。
そこをきちんと詰めたい場合は次のような論法を使います。
最大値が□であることを言うには
1、□以下であることを言う
2、□になる例を一つ言う
算数オリンピックでよく使われていますね。
例えば(1)の正方形に4点であれば

角度に注目してみましょう。
元々の四角形の内角360°に加えて、内側の1点につき360°ずつ使われるので
合計で360°+4×360°=1800°の角度が分割された三角形に使われています。
三角形1つの内角の和は180°ですから
1800÷180°=10
から10個以下となります。
そして実際に10個の場合ができていましたので、10個を答えとすればよいわけです。
(2)では、同様に考えて
{(2016-2)×180+28×360}÷180=2070個以下となり、
上で予想した2070個が最大になることがわかりますね。
(3)
同じように考えて□多角形の時は
{(□-2)×180+□×360}÷180が2016以上になればよい
つまり
3×□-2が2016以上
3×□が2018以上
より
これを満たす最小の□は
2018÷3=672あまり2
より正673角形です。
2016角形のような大きな数のものを考えるには、(1)のような手で書くことができる小さい数で試してみて
規則性をつかむ姿勢で問題に取り組むと、後半の小問での得点率も上がってきます。がんばってください!
(畠)
今年度もよろしくお願いします!
今回は筑波大学附属駒場中学校の問題です。
受験者数786人で合格者127人の倍率6.19倍
算数、国語、理科、社会、調査書、各100点ずつの500点満点
最高394点、最低329点
算数は大問4問40分です。
その場で規則性を見つける問題がよく出題され、典型問題であっても短い時間でも複雑な計算や整理をすることを
求められています。どの問題もよく考えられて作られていますね。
それぞれの問題を見ていくと
○大問1 位によって繰り上がり数が違う問題(7進法と5進法と3進法と2進法の混合)です。(1)(2)は確実に得点し、
(3)からが勝負の分かれ道です。
8の倍数は下3桁が8の倍数になるときです。まず、一の位は偶数なので0に決定。一の位が0である8の倍数の十の位は
偶数なので0か2のいずれかです。□00となる8の倍数は200と400、□20となる8の倍数は120と320ですから、千の位まで
含めると最も大きい数は6400、最も小さい数は120となります。
(4)はこれを踏まえると、 ※( )内は10進法になおした数です。
120(=10)→200(=12)に2回
200(=12)→320(=22)に10回
320(=22)→400(=24)に2回
400(=24)→1000(=30)に6回
1000(=30)→1120(=40)に10回、
で以下、2回、10回、2回、6回、10回のくりかえしになるのですが、0は8の倍数に含まないという条件があるので、
6400(=204)→120(=10)のところは6+10=16回となることに注意しましょう!
○大問2 今回はこの問題を取り上げます。
○大問3 Pは反時計回りに60°/分、Qは反時計回りに120°/分、Rは時計回りに180°/分、進むとできます。
Pから見るとQは反時計回りに120°-60°=60°/分,Rは時計回りに180°+60°240°/分進みますね。
よくある速さの問題なので練習をよくしておきましょう!
○大問4 図形の比の問題です。
面積の比で考えましょう。
(1)

全体から青の三角形4つを引くと求められます。
(2)

△ADEより③+[2]=24、△AFGより①+[4]=16
ここから消去算で⑤+[5]を求めて全体から引きましょう。
(3)

直角を利用するには30°60°の直角三角形の辺の比が2:1になる性質ぐらいしかなさそうです。
△AGEより[2]+③+①=32、△ADFより[2]+[3]+[1]+③=72
ここから同じように消去算で⑤+[5]を引くと求められます。
それでは大問2を見ていきましょう。
(問題)H28 筑波大学附属駒場中学校 大問2
正多角形の内側にいくつか点があるとき、正多角形の頂点やこれらの点をまっすぐな線で結び、正多角形の内側を
できるだけ多くの三角形に分割します。ただし、頂点や内側の点を結ぶ線は交わってはいけません。
また、内側の点が3個以上一直線に並ぶことはありません。
正三角形の内側にいくつか点があるとき、たとえば図のように三角形に分割できます。
なお例1では、内側にできた三角形の個数は7個です。

次の問いに答えなさい。
(1)次のそれぞれの場合で、内側にできる三角形の個数を求めなさい。
(ア)正方形と4点
(イ)正五角形と5点
(2)正2016角形と28個の点のとき、内側にできる三角形の個数を求めなさい。
(3)正多角形の頂点の個数と内側の点の個数が等しいとき、内側に2016個以上の三角形ができました。
このような正多角形のうち、最も頂点の数が少ないものは正何角形ですか。
[解説]
(1)
分割の仕方は色々あるので、例を2つ紹介します。
例1,
①まず内側に1点を書いて全ての頂点と結ぶ。

②次にどこかの三角形に1点を追加して頂点と結ぶのを繰り返す。

例2,
①まず内側に正多角形を書き、外側と内側のそれぞれの頂点を結んで三角形にする。

②内側の多角形を対角線で三角形に分割する。

どちらでも(ア)は10個、(イ)13個となります。
(2)
例1の分割の仕方では
①まず内側に1点を書いて全ての頂点と結ぶ→2016個に分割
②次にどこかの三角形に1点を追加して頂点と結ぶのを繰り返す→三角形が2個ずつ増える
2016+27×2=2070個
例2の分割の仕方では
①外側と内側のそれぞれの頂点を結んで三角形にする→外側と内側の辺の数2016+28=2044個だけ三角形に分割
②内側の多角形の対角線で三角形に分割する→28-2=26個に分割
2044+26=2070個
どちらでも2070個になります。
本番ではこのように規則性を見つけて、そのまま答えとして書いてしまってもよいでしょう。
ただ本当にこれで最大値と言えるのか疑問ですよね。
そこをきちんと詰めたい場合は次のような論法を使います。
最大値が□であることを言うには
1、□以下であることを言う
2、□になる例を一つ言う
算数オリンピックでよく使われていますね。
例えば(1)の正方形に4点であれば

角度に注目してみましょう。
元々の四角形の内角360°に加えて、内側の1点につき360°ずつ使われるので
合計で360°+4×360°=1800°の角度が分割された三角形に使われています。
三角形1つの内角の和は180°ですから
1800÷180°=10
から10個以下となります。
そして実際に10個の場合ができていましたので、10個を答えとすればよいわけです。
(2)では、同様に考えて
{(2016-2)×180+28×360}÷180=2070個以下となり、
上で予想した2070個が最大になることがわかりますね。
(3)
同じように考えて□多角形の時は
{(□-2)×180+□×360}÷180が2016以上になればよい
つまり
3×□-2が2016以上
3×□が2018以上
より
これを満たす最小の□は
2018÷3=672あまり2
より正673角形です。
2016角形のような大きな数のものを考えるには、(1)のような手で書くことができる小さい数で試してみて
規則性をつかむ姿勢で問題に取り組むと、後半の小問での得点率も上がってきます。がんばってください!
(畠)
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