女子学院中学校 算数 問題解説&入試分析★2016年(H28年)
2016.04.05 13:50|入試問題分析(算数)|
今回も女子御三家の一つ,女子学院中学校を取り上げます。
出願者数695人に対して,実受験者数が673人,合格発表数が270人。
問題の分量は大問6問(小問24問)。正確な配点がわかりませんが,18か19問くらいは取っておきたいですね。
各問題に目を通していくと…
1番 小問集。
(1)の計算は必ず合わせましょう。
(2)は演算記号の問題。慎重に解かないとミスしてしまいそうな演算になっています。
(3)は速さの問題。情報整理がきちんとできない子はうっかりミスが発生しそうです。
(4)は角度の問題。わかる角度を書き込んでいけば,それほど難しくはありません。
(5)は図形の周長。定番の押し出し方式で,必ず合わせましょう。
(6)も正六角形の面積問題としては初級レベル。1つも落とせません。
2番 平面図形の作図と求積問題。
作図はできるはずなので,慎重に計算しましょう。
3番 比を少し利用する文章題。
最後の詰めのところでミスをしないよう,慎重に。
4番 水問題。
正面からの図を描く練習をきちんとしてきたかが試されます。
5番 変則的な日暦算。
J子さんが独自のカレンダーを考えるという甚だ迷惑な問題です。(笑)
日暦算を解くときに何気なく立ててきた式の意味が本当に理解できていなければ正解するのは難しいでしょう。
今回はこの問題をあつかいます。
6番 平均算(天秤法や面積図)。
問題文の表現はあまり目にしないもので,「おもしろい!」と思いながら解いたのですが,
通学に50分以上60分未満かかる生徒たちの平均通学時間が30分になってしまうという,
残念な数値設定ミスがありました。一応,その部分に関して目をつぶってしまえば答えを出すことはできます。
こうやって見ると,前半に「ミス」や「慎重に」という言葉が目立ちます。
解き方がわかっているのに,問題文の意味を取れなかったり,計算ミスをしたり,落ち着いて取り組めなかったりして
失点してしまうというのが最も悔しいパターンです。後半にたどり着くまでに挑戦権を失わないような心構えが必要です。
では,今回は5番の問題を見てみましょう。
(問題)H28 女子学院中学校 算数 大問5
J子さんは,次のようなカレンダーを考えました。1週間は月曜日から天曜日までの8日で,1年は1月から10月
までの10か月です。奇数月は37日まで,偶数月は36日まであります。ただし,2016年のように2月29日がある年は,
J子さんのカレンダーでは2月37日があり,2016年1月1日はJ子さんのカレンダーでも2016年1月1日です。
この規則に従うと,2026年1月のカレンダーは下のようになりました。

J子さんのカレンダーでは,
・2026年1月より後で,木曜日から始まる月は一番早くて□年□月です。
・2026年で,木曜日以外の同じ曜日から始まる月は□月と□月です。
・2027年1月1日は□曜日で,
・2028年3月1日は□曜日です。
・2028年11月25日は,J子さんのカレンダーでは□月□日になります。
問題をざっと見ていただくと,2026年1月1日を基点として,曜日がどれだけずれていくかを問う問題だということがわかります。
解き始める前に,よく使うと予想されるものだけ計算しておきましょう。
★1か月後に曜日がいくつずれるか
①37日後の場合 37÷8=4あまり5 なので,曜日は後ろに5つずれます。
②36日後の場合 36÷8=4あまり4 なので,曜日は後ろに4つずれます。
★1年後に曜日がいくつずれるか
①365日後の場合 365÷8=45あまり5 なので,曜日は後ろに5つずれます。
②366日後の場合 366÷8=45あまり6 なので,曜日は後ろに6つずれます。
こういう準備をしておけば,問題を解くときに混乱しにくくなりますよ。
では,まずは1つ目。
2026年1月より後で,木曜日から始まる月は一番早くて□年□月です。
2026年1月1日(木曜日)を基点として,37日後,36日後,37日後,36日後,・・・なので,曜日は5つ,4つ,5つ,4つ,・・・ずれます。
カレンダーの曜日をしっかりと指で押さえながら,慎重にメモを残していきましょう。
2026/1/1 木
2026/2/1 月
2026/3/1 金
2026/4/1 火
2026/5/1 土
2026/6/1 水
2026/7/1 日
2026/8/1 木
2026/9/1 点
2026/10/1 金
となるので,2026年8月が答えです。
偶数月は偶数月だけで,奇数月は奇数月だけでみると,曜日が1個ずつずれていることに偶然気づいたりすると,
自分のメモした曜日の間違い探しに役立ったりするかもしれませんね。
では次の問題。
・2026年で,木曜日以外の同じ曜日から始まる月は□月と□月です。
これは先ほどの一覧の中から,同じ曜日になっているものを探すだけです。
3月と10月が金曜日になっていますね。
さらに次の問題。
・2027年1月1日は□曜日で,
2026/10/1(金曜日)から4つずらしても,2026/1/1から(木曜日)から5つずらしてもかまいません。答えは月曜日です。
もう少し。次の問題です。
・2028年3月1日は□曜日です。
2028/1/1は,2027/1/1(月曜日)から5つずらして土曜日です。
2028/3/1はここから2ヶ月後ですが,この年はうるう年なので,曜日は5つ,5つとずらしましょう。天曜日となります。
やっとたどり着きました。最後の問題。
・2028年11月25日は,J子さんのカレンダーでは□月□日になります。
ここまで通り,2028/1/1の何日後かというように考えてもよいですが,後から戻った方が早そうなのでそちらでやってみます。
※戻るのが苦手な人は必ずこれまで通りのやり方でやりましょう。自分の弱点を知り,そこを避けることはとても大切です。
普通のカレンダーの2028/11/25は,2028年の中で,後ろから数えて31+30-25+1=37日目。
37日はJ子さんカレンダーの最終月である10月の日数(36日)+1日ですから,9月の最終日である9月37日が答えとなります。
普段解いている日暦算と曜日,日数,月数の設定が異なるため,かなり頭の切り替えが難しく,混乱したと思います。
「少しでも混乱を避けるための準備をする」というようなことを普段から心がけておけば,本番で正解する確率は
他の人と比べてグッと高くなりますよ。日々の勉強の中で意識を高く持ちましょう。(池)
出願者数695人に対して,実受験者数が673人,合格発表数が270人。
問題の分量は大問6問(小問24問)。正確な配点がわかりませんが,18か19問くらいは取っておきたいですね。
各問題に目を通していくと…
1番 小問集。
(1)の計算は必ず合わせましょう。
(2)は演算記号の問題。慎重に解かないとミスしてしまいそうな演算になっています。
(3)は速さの問題。情報整理がきちんとできない子はうっかりミスが発生しそうです。
(4)は角度の問題。わかる角度を書き込んでいけば,それほど難しくはありません。
(5)は図形の周長。定番の押し出し方式で,必ず合わせましょう。
(6)も正六角形の面積問題としては初級レベル。1つも落とせません。
2番 平面図形の作図と求積問題。
作図はできるはずなので,慎重に計算しましょう。
3番 比を少し利用する文章題。
最後の詰めのところでミスをしないよう,慎重に。
4番 水問題。
正面からの図を描く練習をきちんとしてきたかが試されます。
5番 変則的な日暦算。
J子さんが独自のカレンダーを考えるという甚だ迷惑な問題です。(笑)
日暦算を解くときに何気なく立ててきた式の意味が本当に理解できていなければ正解するのは難しいでしょう。
今回はこの問題をあつかいます。
6番 平均算(天秤法や面積図)。
問題文の表現はあまり目にしないもので,「おもしろい!」と思いながら解いたのですが,
通学に50分以上60分未満かかる生徒たちの平均通学時間が30分になってしまうという,
残念な数値設定ミスがありました。一応,その部分に関して目をつぶってしまえば答えを出すことはできます。
こうやって見ると,前半に「ミス」や「慎重に」という言葉が目立ちます。
解き方がわかっているのに,問題文の意味を取れなかったり,計算ミスをしたり,落ち着いて取り組めなかったりして
失点してしまうというのが最も悔しいパターンです。後半にたどり着くまでに挑戦権を失わないような心構えが必要です。
では,今回は5番の問題を見てみましょう。
(問題)H28 女子学院中学校 算数 大問5
J子さんは,次のようなカレンダーを考えました。1週間は月曜日から天曜日までの8日で,1年は1月から10月
までの10か月です。奇数月は37日まで,偶数月は36日まであります。ただし,2016年のように2月29日がある年は,
J子さんのカレンダーでは2月37日があり,2016年1月1日はJ子さんのカレンダーでも2016年1月1日です。
この規則に従うと,2026年1月のカレンダーは下のようになりました。

J子さんのカレンダーでは,
・2026年1月より後で,木曜日から始まる月は一番早くて□年□月です。
・2026年で,木曜日以外の同じ曜日から始まる月は□月と□月です。
・2027年1月1日は□曜日で,
・2028年3月1日は□曜日です。
・2028年11月25日は,J子さんのカレンダーでは□月□日になります。
問題をざっと見ていただくと,2026年1月1日を基点として,曜日がどれだけずれていくかを問う問題だということがわかります。
解き始める前に,よく使うと予想されるものだけ計算しておきましょう。
★1か月後に曜日がいくつずれるか
①37日後の場合 37÷8=4あまり5 なので,曜日は後ろに5つずれます。
②36日後の場合 36÷8=4あまり4 なので,曜日は後ろに4つずれます。
★1年後に曜日がいくつずれるか
①365日後の場合 365÷8=45あまり5 なので,曜日は後ろに5つずれます。
②366日後の場合 366÷8=45あまり6 なので,曜日は後ろに6つずれます。
こういう準備をしておけば,問題を解くときに混乱しにくくなりますよ。
では,まずは1つ目。
2026年1月より後で,木曜日から始まる月は一番早くて□年□月です。
2026年1月1日(木曜日)を基点として,37日後,36日後,37日後,36日後,・・・なので,曜日は5つ,4つ,5つ,4つ,・・・ずれます。
カレンダーの曜日をしっかりと指で押さえながら,慎重にメモを残していきましょう。
2026/1/1 木
2026/2/1 月
2026/3/1 金
2026/4/1 火
2026/5/1 土
2026/6/1 水
2026/7/1 日
2026/8/1 木
2026/9/1 点
2026/10/1 金
となるので,2026年8月が答えです。
偶数月は偶数月だけで,奇数月は奇数月だけでみると,曜日が1個ずつずれていることに偶然気づいたりすると,
自分のメモした曜日の間違い探しに役立ったりするかもしれませんね。
では次の問題。
・2026年で,木曜日以外の同じ曜日から始まる月は□月と□月です。
これは先ほどの一覧の中から,同じ曜日になっているものを探すだけです。
3月と10月が金曜日になっていますね。
さらに次の問題。
・2027年1月1日は□曜日で,
2026/10/1(金曜日)から4つずらしても,2026/1/1から(木曜日)から5つずらしてもかまいません。答えは月曜日です。
もう少し。次の問題です。
・2028年3月1日は□曜日です。
2028/1/1は,2027/1/1(月曜日)から5つずらして土曜日です。
2028/3/1はここから2ヶ月後ですが,この年はうるう年なので,曜日は5つ,5つとずらしましょう。天曜日となります。
やっとたどり着きました。最後の問題。
・2028年11月25日は,J子さんのカレンダーでは□月□日になります。
ここまで通り,2028/1/1の何日後かというように考えてもよいですが,後から戻った方が早そうなのでそちらでやってみます。
※戻るのが苦手な人は必ずこれまで通りのやり方でやりましょう。自分の弱点を知り,そこを避けることはとても大切です。
普通のカレンダーの2028/11/25は,2028年の中で,後ろから数えて31+30-25+1=37日目。
37日はJ子さんカレンダーの最終月である10月の日数(36日)+1日ですから,9月の最終日である9月37日が答えとなります。
普段解いている日暦算と曜日,日数,月数の設定が異なるため,かなり頭の切り替えが難しく,混乱したと思います。
「少しでも混乱を避けるための準備をする」というようなことを普段から心がけておけば,本番で正解する確率は
他の人と比べてグッと高くなりますよ。日々の勉強の中で意識を高く持ちましょう。(池)
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