浦和明の星女子中学校 算数 問題解説&入試分析★2016年(H28年)
2016.04.16 16:11|入試問題分析(算数)|
さて、女子校シリーズも最終回です。
今回は浦和明の星女子中学校を見てみましょう。
受験者数1899人に対して,合格者数は965人。実質倍率は2.0倍。
合格最低点は197/300ということですので,目標得点率は7割です。
各問題に目を通していくと・・・
大問1 小問集です。1個間違え(最悪でも2個)にはおさえたいところです。
(1) 計算問題。当然落とすべからず。
(2) 仕事算の基本問題。これも落とすわけにはいきません。
(3) 倍数算と年令算の組み合わせ。とはいえ,難易度は低く,正解しないといけません。
(4) 円の転がり移動の問題。怖いのは計算ミスだけ。(ですよね・・・?そう言えるようにしておかないとだめですよ。)
(5) 群数列の問題。「区切る→グループ番号をつける」等の基本作業ができれば正解して当たり前レベル。
(6) よく見る問題…のように見えますが,特定の方法しか習っていない子にはさっぱりだったかも。
両方20個ずつ買った場合に2160+2040=4200円となることを利用したり,
{(2160-1800)+(2040-1800)}÷20=30円が1個の値段の差であるというところから解いたりします。
(7) 立体の切断問題。
よく見る問題ですし,2×2×2の立方体で小さいのでこれは合わせないといけません。
大問2 ダイヤグラムを与えられた速さの問題。
(1)(2)は距離・速さ・時間の情報整理ができるだけで取れる問題なので,正解して当たり前。
(3)は「ダイヤグラム→相似」という発想があれば解ける問題。これも簡単な部類です。
大問3 みんなが苦手なニュートン算♪
(1)から結構きついです。(1)ができれば(2)もスッといけそうなんですけどね・・・
ここで取れない人は他のところでしっかりと稼がなくてはいけません。
大問4 論理・論証の問題。今回はこの問題を扱います。
(1)は順に問題文に書かれている操作をするだけなので合わせなくてはいけません。
(2)はきれいにできる人とできない人が分かれそうです。このあたりをできるようにしておきたいですね。
大問5 規則性の問題。
規則に気づいてしまえば全問正解もそれほど難しくありません。
時間切れで最後の問題まで手が回らなかったなどという悲しいことのないように,
普段からテストの受け方を意識しておきましょう。
では,大問4番です。
(問題)H28 浦和明の星女子中学校 算数 大問4
図1のように,机の上に5枚のカードが置いてあります。これらのカードの両面には,足すと6となるように数が書かれて
います。一方,明子さんは5個の球が入った袋を持っていて,そのうちの1個の球には◎の記号が,それ以外の球には
それぞれ2の倍数,3の倍数,4の倍数,5の倍数と書かれています。◎の記号がかかれた球を袋から取り出したときは
すべてのカードを裏返し,それ以外の球を取り出したときは,その倍数が見えているカードを裏返します。例えば,図1
の状態で,「2の倍数」の球を取り出せば,2と4が見えているカードが裏返されて,図2のようになります。
明子さんは図1の状態から始めて,袋から1個ずつ球を取り出す度にカードを裏返していきます。5個の球をすべて
取り出した後,5枚のカードの見えている数について考えます。次の問いに答えなさい。
ただし,例えば,◎,2の倍数,3の倍数,4の倍数,5の倍数の順番に5個の球を袋から取り出すことを,
◎→②→③→④→⑤と表すことにします。

(1) 明子さんは,図1の状態から始めて,◎→②→③→④→⑤と球を取り出しました。
このとき,5枚のカードの見えている数の合計を求めなさい。
(2) 明子さんは,再び図1の状態から始めて,5個の球を下の順番で取り出したところ,最初に2と4が見えていた2枚の
カードは,ともに4となり,1と5が見えていた2枚のカードは,ともに5となりました。
このとき,下の[ア]~[ウ]に当てはまる記号を入れなさい。
③→[ア]→[イ]→⑤→[ウ]
(1) まずは問題文の内容がきちんと理解できているかを試す問題です。また,(2)でも活かせるように,この段階で
どのように整理すればいいかを研究しておきたいところですね。

裏返ったところを赤の○太字にしています。実際のテストのときは○字にするだけで十分でしょう。
答えは1+2+3+2+1=9となります。
(2) 準備段階として,問題で書かれている内容で埋めることのできる部分を埋めておきましょう。
(3は表裏とも3なので,先にすべて3を書き込んでいます。)

まず,5の球と[ウ]の球に注目します。
5の球を取り出すと,5のカードは1になり,それ以外のカードはそのままです。
つまり,[ウ]の球を取り出す直前は,5と書かれたカードはどちらも1になっているはずですが,
[ウ]の球を取り出すことでどちらも5になっています。
5の球以外に1のカードを5にすることができる球は◎の球しかありませんので,下のように埋めることができます。

また,残っている球は2の球と4の球なので,これらは1や5のカードをひっくり返すことはできません。
更に,5の球では2や4のカードをひっくりかえすことはできません。
よって,これらをまとめて,下のように埋めることができます。

あとは,([ア],[イ])を(2の球,4の球)とするか(4の球,2の球)とするかです。
後者の場合だと,5の球を取り出す直前に1,4,3,4,5が見えている状態になってしまいます。
前者の場合だと,下のようになりますのでバッチリ。

よって,[ア]=②,[イ]=④,[ウ]=◎が答えです。
解説を見てしまえばなんてことはありませんが,自力ではなかなか整理できないという人が結構います。
ただただ「解ければいい」ではなく,「どのように整理するか」を意識しながら,普段の学習に取り組みましょう。(池)
今回は浦和明の星女子中学校を見てみましょう。
受験者数1899人に対して,合格者数は965人。実質倍率は2.0倍。
合格最低点は197/300ということですので,目標得点率は7割です。
各問題に目を通していくと・・・
大問1 小問集です。1個間違え(最悪でも2個)にはおさえたいところです。
(1) 計算問題。当然落とすべからず。
(2) 仕事算の基本問題。これも落とすわけにはいきません。
(3) 倍数算と年令算の組み合わせ。とはいえ,難易度は低く,正解しないといけません。
(4) 円の転がり移動の問題。怖いのは計算ミスだけ。(ですよね・・・?そう言えるようにしておかないとだめですよ。)
(5) 群数列の問題。「区切る→グループ番号をつける」等の基本作業ができれば正解して当たり前レベル。
(6) よく見る問題…のように見えますが,特定の方法しか習っていない子にはさっぱりだったかも。
両方20個ずつ買った場合に2160+2040=4200円となることを利用したり,
{(2160-1800)+(2040-1800)}÷20=30円が1個の値段の差であるというところから解いたりします。
(7) 立体の切断問題。
よく見る問題ですし,2×2×2の立方体で小さいのでこれは合わせないといけません。
大問2 ダイヤグラムを与えられた速さの問題。
(1)(2)は距離・速さ・時間の情報整理ができるだけで取れる問題なので,正解して当たり前。
(3)は「ダイヤグラム→相似」という発想があれば解ける問題。これも簡単な部類です。
大問3 みんなが苦手なニュートン算♪
(1)から結構きついです。(1)ができれば(2)もスッといけそうなんですけどね・・・
ここで取れない人は他のところでしっかりと稼がなくてはいけません。
大問4 論理・論証の問題。今回はこの問題を扱います。
(1)は順に問題文に書かれている操作をするだけなので合わせなくてはいけません。
(2)はきれいにできる人とできない人が分かれそうです。このあたりをできるようにしておきたいですね。
大問5 規則性の問題。
規則に気づいてしまえば全問正解もそれほど難しくありません。
時間切れで最後の問題まで手が回らなかったなどという悲しいことのないように,
普段からテストの受け方を意識しておきましょう。
では,大問4番です。
(問題)H28 浦和明の星女子中学校 算数 大問4
図1のように,机の上に5枚のカードが置いてあります。これらのカードの両面には,足すと6となるように数が書かれて
います。一方,明子さんは5個の球が入った袋を持っていて,そのうちの1個の球には◎の記号が,それ以外の球には
それぞれ2の倍数,3の倍数,4の倍数,5の倍数と書かれています。◎の記号がかかれた球を袋から取り出したときは
すべてのカードを裏返し,それ以外の球を取り出したときは,その倍数が見えているカードを裏返します。例えば,図1
の状態で,「2の倍数」の球を取り出せば,2と4が見えているカードが裏返されて,図2のようになります。
明子さんは図1の状態から始めて,袋から1個ずつ球を取り出す度にカードを裏返していきます。5個の球をすべて
取り出した後,5枚のカードの見えている数について考えます。次の問いに答えなさい。
ただし,例えば,◎,2の倍数,3の倍数,4の倍数,5の倍数の順番に5個の球を袋から取り出すことを,
◎→②→③→④→⑤と表すことにします。

(1) 明子さんは,図1の状態から始めて,◎→②→③→④→⑤と球を取り出しました。
このとき,5枚のカードの見えている数の合計を求めなさい。
(2) 明子さんは,再び図1の状態から始めて,5個の球を下の順番で取り出したところ,最初に2と4が見えていた2枚の
カードは,ともに4となり,1と5が見えていた2枚のカードは,ともに5となりました。
このとき,下の[ア]~[ウ]に当てはまる記号を入れなさい。
③→[ア]→[イ]→⑤→[ウ]
(1) まずは問題文の内容がきちんと理解できているかを試す問題です。また,(2)でも活かせるように,この段階で
どのように整理すればいいかを研究しておきたいところですね。

裏返ったところを赤の○太字にしています。実際のテストのときは○字にするだけで十分でしょう。
答えは1+2+3+2+1=9となります。
(2) 準備段階として,問題で書かれている内容で埋めることのできる部分を埋めておきましょう。
(3は表裏とも3なので,先にすべて3を書き込んでいます。)

まず,5の球と[ウ]の球に注目します。
5の球を取り出すと,5のカードは1になり,それ以外のカードはそのままです。
つまり,[ウ]の球を取り出す直前は,5と書かれたカードはどちらも1になっているはずですが,
[ウ]の球を取り出すことでどちらも5になっています。
5の球以外に1のカードを5にすることができる球は◎の球しかありませんので,下のように埋めることができます。

また,残っている球は2の球と4の球なので,これらは1や5のカードをひっくり返すことはできません。
更に,5の球では2や4のカードをひっくりかえすことはできません。
よって,これらをまとめて,下のように埋めることができます。

あとは,([ア],[イ])を(2の球,4の球)とするか(4の球,2の球)とするかです。
後者の場合だと,5の球を取り出す直前に1,4,3,4,5が見えている状態になってしまいます。
前者の場合だと,下のようになりますのでバッチリ。

よって,[ア]=②,[イ]=④,[ウ]=◎が答えです。
解説を見てしまえばなんてことはありませんが,自力ではなかなか整理できないという人が結構います。
ただただ「解ければいい」ではなく,「どのように整理するか」を意識しながら,普段の学習に取り組みましょう。(池)
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