聖光学院中学校 算数 問題解説&入試分析★2016年(H28年)
2016.05.20 17:24|入試問題分析(算数)|
今回は聖光学院中学校です。
2回の日程がありますが,第1回のデータです。
受験者数は703人で合格者数241人の実質倍率2.92倍。
合格最低点318/500、合格者平均点346.3/500
各教科の平均点は(受験者平均点/合格者平均点)の順で
国語150点満点(89.4/103.4)
算数150点満点(63.5/84.7)
理科100点満点(76.7/83.6)
社会100点満点(68.0/74.5)
算数は6割が目標です!
【各問寸評】
大問1 小問群。
(1)は単なる計算問題ですから取れないといけません。
(2)は「21との最大公約数が1となる3ケタの整数」というのを「3や7で割り切れない3ケタの整数」と読み替えられるか
が試されています。機械的な作業しかできない人はこの手の問題は対応できません。
(3)は展開図を組み立てる問題。9個の小正方形が前後左右上下のどの方向を向くかということだけでも書きこめれば
答えは出せますが、頭の中で組み立てることが苦手な人は後回しにした方がいいでしょう。
大問2 今回はこの問題を扱います。
大問3 点を移動させる場合の数の問題です。
場合分けと計算をうまく組み合わせて、いかに素早く処理できるかの勝負です。
正解率も、地道に1つずつコマを移動して考えた人の方が低くなりそうですね。
大問4 2人の進んだ距離の和や差に注目しながら解く、旅人算の問題です。
(1)(2)は速さの和と差が分かればまとめて解けてしまいます。
(3)は速さそのものを使うのではなく、比にして考えたほうが解きやすそうです。
いずれにしても、まずは長ーーーーーーーい問題文からしっかりと必要な情報を読み取ることが大変ですね(^^;
大問5 二等辺三角形の回転移動の問題です。
(1)の(ア)(イ)は与えられた図の中で、相似を利用して解き進めればあっさり正解できるでしょう。
ただ、(イ)の図は正しくない(回転後のACは回転前の頂点Bを通らない)ので、それを元に解くとえらいことに・・・
(2)はきちんと作図できないと解けません。が、正しく作図できるレベルの人にとっては得点することは難しくないでしょう。
各問題、クリアしてほしいハードルがそれぞれいくつかあるのですが、1つ目のハードルが結構高い問題が多いです。
大問まるまる全滅ということを避けるためにも、普段から、解いている問題のハードルがどういうところにあるのか
ということを意識するようにしましょう。相手が狙ってくるところを知っておくことが何にも勝る対策となります。
では大問2番です。
(問題)H28 聖光学院中学校 大問2
0から6までの数字のみで作られる整数を、下のように1番目に0、2番目に1、3番目に2、・・・と小さい方から
順に並べた整数を考えます。
0,1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,・・・,65,66,100,101,・・・
このとき,次の問いに答えなさい。
(1) 2016は何番目の整数ですか。
(2) 2016番目の整数はいくつですか。
(3) 上の数列から6が1回も使われていない整数を取り除いてできる数列を考えます。
6,16,26,36,46,56,60,61,62,63,64,65,66,106,116,・・・
このとき,2016は何番目の整数ですか。
0,1,2,3,4,5,6の7つの数字で表されていますので,7進法を使って考えましょう。
ただし,1番目の数が0になっていますので、□番目の数は□-1を7進法で表した数となります。
(1) 7進法の2016は
7×7×7×2+7×7×0+7×1+1×6=699ですので、
699+1=700番目の整数です。
(2) 2016-1=2015を7進法になおすと,
2015÷7=287…6
287÷7=41…0
41÷7=5…6
なので,5606となります。
(3) 0から6までの数字のみで作られる整数の数列から、0から5までの数字のみで作られる整数を取り除けばいいのですから
6進法で表せる分を取り除くと考えればよいですね。
0,1,2,3,4,5,10,11,12,・・・,2015
は(1)と同様に考えると,全部で6×6×6×2+6×6×0+6×1+1×5+1=444個の数が並ぶので,
700-444=256個の数が残ります。
つまり、答えは256番目ですね。
<別解>
ちなみに、N進法を知らない人や苦手な人でも、きちんと解くことができますよ。
(1) 1けたの数が7個、
2けたの数が6×7=42個、
3けたの数が6×7×7=294個、
4けたのうち、千の位が1のものが1×7×7×7=343個、千の位が2のものが7×2=14個あるので、
7+42+294+343+14=700番目の整数です。
(2) 千の位が4のものまでで、7+42+294+343×4=1715個なので、あと2016-1715=301個。
50□□となるものは7×7=49個あるので、5000~5566で49×6=294個で、あと301-294=7個。
5600~5606で7個あるので、答えは5606となります。
(3) 残った数をけた数ごとに分けて考えましょう。
1けたの数は元の数列に7個あり、取り除くのは6を含まない6個なので7-6=1個だけ残ります。
2けたの数は元の数列に6×7=42個あり、取り除くのは6を含まない5×6=30個なので42-30=12個残ります。
3けたの数は元の数列に6×7×7=294個あり、取り除くのは6を含まない5×6×6=180個なので294-180=114個残ります。
4けたの数のうち、千の位が1のものは元の数列に7×7×7=343個あり、取り除くのは6を含まない6×6×6=216個なので
よって、343-216=127個残ります。
千の位が2のものは2006と2016の2個、よって、1+12+114+127+2=256番目の整数ですね。
N進法は理解できる人とできない人の差がものすごく出る単元です。
苦手だという人は、別解のような小刻みに計算して出していくという作業をきちんとできるようにしておきましょう。
また、苦手ではないという人も、このような整理作業は場合の数などにも繋がるものですので、軽んじることなく、
できるようにしておきましょう。
(結局,どちらにしてもできるようにしておかなあかんのかい! という突っ込みは禁止です(^^;)
(池)
2回の日程がありますが,第1回のデータです。
受験者数は703人で合格者数241人の実質倍率2.92倍。
合格最低点318/500、合格者平均点346.3/500
各教科の平均点は(受験者平均点/合格者平均点)の順で
国語150点満点(89.4/103.4)
算数150点満点(63.5/84.7)
理科100点満点(76.7/83.6)
社会100点満点(68.0/74.5)
算数は6割が目標です!
【各問寸評】
大問1 小問群。
(1)は単なる計算問題ですから取れないといけません。
(2)は「21との最大公約数が1となる3ケタの整数」というのを「3や7で割り切れない3ケタの整数」と読み替えられるか
が試されています。機械的な作業しかできない人はこの手の問題は対応できません。
(3)は展開図を組み立てる問題。9個の小正方形が前後左右上下のどの方向を向くかということだけでも書きこめれば
答えは出せますが、頭の中で組み立てることが苦手な人は後回しにした方がいいでしょう。
大問2 今回はこの問題を扱います。
大問3 点を移動させる場合の数の問題です。
場合分けと計算をうまく組み合わせて、いかに素早く処理できるかの勝負です。
正解率も、地道に1つずつコマを移動して考えた人の方が低くなりそうですね。
大問4 2人の進んだ距離の和や差に注目しながら解く、旅人算の問題です。
(1)(2)は速さの和と差が分かればまとめて解けてしまいます。
(3)は速さそのものを使うのではなく、比にして考えたほうが解きやすそうです。
いずれにしても、まずは長ーーーーーーーい問題文からしっかりと必要な情報を読み取ることが大変ですね(^^;
大問5 二等辺三角形の回転移動の問題です。
(1)の(ア)(イ)は与えられた図の中で、相似を利用して解き進めればあっさり正解できるでしょう。
ただ、(イ)の図は正しくない(回転後のACは回転前の頂点Bを通らない)ので、それを元に解くとえらいことに・・・
(2)はきちんと作図できないと解けません。が、正しく作図できるレベルの人にとっては得点することは難しくないでしょう。
各問題、クリアしてほしいハードルがそれぞれいくつかあるのですが、1つ目のハードルが結構高い問題が多いです。
大問まるまる全滅ということを避けるためにも、普段から、解いている問題のハードルがどういうところにあるのか
ということを意識するようにしましょう。相手が狙ってくるところを知っておくことが何にも勝る対策となります。
では大問2番です。
(問題)H28 聖光学院中学校 大問2
0から6までの数字のみで作られる整数を、下のように1番目に0、2番目に1、3番目に2、・・・と小さい方から
順に並べた整数を考えます。
0,1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,・・・,65,66,100,101,・・・
このとき,次の問いに答えなさい。
(1) 2016は何番目の整数ですか。
(2) 2016番目の整数はいくつですか。
(3) 上の数列から6が1回も使われていない整数を取り除いてできる数列を考えます。
6,16,26,36,46,56,60,61,62,63,64,65,66,106,116,・・・
このとき,2016は何番目の整数ですか。
0,1,2,3,4,5,6の7つの数字で表されていますので,7進法を使って考えましょう。
ただし,1番目の数が0になっていますので、□番目の数は□-1を7進法で表した数となります。
(1) 7進法の2016は
7×7×7×2+7×7×0+7×1+1×6=699ですので、
699+1=700番目の整数です。
(2) 2016-1=2015を7進法になおすと,
2015÷7=287…6
287÷7=41…0
41÷7=5…6
なので,5606となります。
(3) 0から6までの数字のみで作られる整数の数列から、0から5までの数字のみで作られる整数を取り除けばいいのですから
6進法で表せる分を取り除くと考えればよいですね。
0,1,2,3,4,5,10,11,12,・・・,2015
は(1)と同様に考えると,全部で6×6×6×2+6×6×0+6×1+1×5+1=444個の数が並ぶので,
700-444=256個の数が残ります。
つまり、答えは256番目ですね。
<別解>
ちなみに、N進法を知らない人や苦手な人でも、きちんと解くことができますよ。
(1) 1けたの数が7個、
2けたの数が6×7=42個、
3けたの数が6×7×7=294個、
4けたのうち、千の位が1のものが1×7×7×7=343個、千の位が2のものが7×2=14個あるので、
7+42+294+343+14=700番目の整数です。
(2) 千の位が4のものまでで、7+42+294+343×4=1715個なので、あと2016-1715=301個。
50□□となるものは7×7=49個あるので、5000~5566で49×6=294個で、あと301-294=7個。
5600~5606で7個あるので、答えは5606となります。
(3) 残った数をけた数ごとに分けて考えましょう。
1けたの数は元の数列に7個あり、取り除くのは6を含まない6個なので7-6=1個だけ残ります。
2けたの数は元の数列に6×7=42個あり、取り除くのは6を含まない5×6=30個なので42-30=12個残ります。
3けたの数は元の数列に6×7×7=294個あり、取り除くのは6を含まない5×6×6=180個なので294-180=114個残ります。
4けたの数のうち、千の位が1のものは元の数列に7×7×7=343個あり、取り除くのは6を含まない6×6×6=216個なので
よって、343-216=127個残ります。
千の位が2のものは2006と2016の2個、よって、1+12+114+127+2=256番目の整数ですね。
N進法は理解できる人とできない人の差がものすごく出る単元です。
苦手だという人は、別解のような小刻みに計算して出していくという作業をきちんとできるようにしておきましょう。
また、苦手ではないという人も、このような整理作業は場合の数などにも繋がるものですので、軽んじることなく、
できるようにしておきましょう。
(結局,どちらにしてもできるようにしておかなあかんのかい! という突っ込みは禁止です(^^;)
(池)
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