2017(H29)入試分析 算数 東大寺学園中学校 その1

2017.02.03 06:17|入試問題分析(算数)
今回は東大寺学園を取り上げます。

まずは入試の概要から。
受験者数 791名→834名→894名
合格者数 325名→347名→364名
実質倍率 2.43 →2.40 →2.46

受験者数と合格者数が増えて,実質倍率は大きく変わらずという結果になりました。

算数は受験者平均が51.9点→62.4点→53.4ですので,魔の難易度アップダウン現象再び!
といったところでしょうか(^^;

ただ,問題の質としては非常に良かったのではないでしょうか。
これらの問題が別々の年に出ていたらなぁという感想です。

今回は,4番の速さの問題を取り上げてみます。
(問題)H29 東大寺学園中学校 算数 大問4番
2017東大寺01
図のように,2点A,Bと,その真ん中の点Oがあり,AB=480cmとします。直線ABの上を点Pと点Qが往復していて,次の規則を
満たしているものとします。
[規則1]PはOからBに向かって毎秒[あ]cmの速さで出発し,QはPと同時にOからAに向かって毎秒[い]cmの速さで出発し,
     1回目にすれ違うまでそれぞれ一定の速さで動きます。
[規則2]PとQはすれ違った瞬間に,Pはその速さを,それまでのQの速さに毎秒[う]cmだけ加えた速さに変え,Qはその速さを,
     それまでのPの速さに毎秒[え]cmだけ加えた速さに変えます。これをすれ違うたびにくり返し,PとQは直線ABの上を
     往復しています。ただし,すれ違ってから次にすれ違うまではそれぞれ一定の速さで動いているものとし,すれ違うとは,
     互いが逆向きに進んでいるときに同じ位置に来ることを意味するものとします。

 PとQが1回目にすれ違ったのはOからBに向かってちょうど120cm離れた点で,そのときPはBで,QはAでそれぞれ1回ずつ
折り返していました。図にはその様子が書かれています。また,3回目にすれ違ったのはOからBに向かってちょうど180cm
離れた点で,4回目にすれ違ったのはOからAに向かってちょうど180cm離れた点でした。4回目のすれ違いまでは,すべての
すれ違いからその次のすれ違いまでの間において,PもQもそれぞれ1回ずつAまたはBで折り返したものとします。
 このとき,次の表を埋めながら,以下の問いに答えなさい。
2017東大寺02
(1) [あ]にあてはまる数と[い]にあてはまる数の比を求めなさい。ただし,もっとも簡単な整数の比で答えなさい。
(2) PとQが2回目にすれ違ったのは,OからA,Bのどちらに向かって何cm離れた点ですか。
(3) [あ],[い],[う],[え],それぞれにあてはまる数の比を求めなさい。ただし,もっとも簡単な整数の比で答えなさい。
(4) PとQが7回目にすれ違ったのは,OからBに向かって何cm離れた点ですか。
(5) PとQが5回目にすれ違ったのが,P,Qが出発してから145秒後であったとき,[あ],[い],[う],[え],それぞれにあてはまる
  数を求めなさい。


(1) これは簡単。Pの進んだ距離480-120=360cmに対して,Qの進んだ距離が960-360=600cmですから,
  360:600=3:5ですね。

(2) ここからハードルがグンと上がるので,受験者平均が下がってしまったのかなと予想されます。
  (実は(2)だけなら勘で当ててしまう子も一定数いそうですが…(^^;)
2017東大寺03
2017東大寺04
4回目までの状況図と速さの表をまとめたものが上のものになります。
今回、情報が一番多く集まっている「3回目にすれ違ってから4回目にすれ違うまで」に注目してみましょう(図の緑の線)。
Pの進んだ距離が480-180+180=480cm,Qの進んだ距離が960-480=480cmですから,速さの比が1:1,
つまり,⑤+う×2+え=③+う+え×2なので,え-う=②ということがわかります。
これによって,「1回目にすれ違ってから2回目にすれ違うまで」のそれぞれの速さ,⑤+う③+えが等しくなりますから,
図の赤色の線もP・Qともに480cmで等しくなり,OからAに向かって480-(480-120)=120cm離れた点で出会うことになります。

(3) 次は,「2回目にすれ違ってから3回目にすれ違うまで」に注目しましょう(図の青色の線)。
Pの進んだ距離は120+480-180=420cm,Qの進んだ距離は960-420=540cmなので,速さの比は420:540=7:9,
③+(う+え)⑤+(う+え)の比が7:9ですから,う+え=④。よって和差算で,え=③,う=①となり,
求める答えは③:⑤:①:③です。

(4) 速さの表をまとめなおすと,次のようになります。
2017東大寺05
毎回進む距離の合計は960cmなので,Pの進んだ距離は
960×(3/8+1/2+7/16+1/2+11/24+1/2+15/32)=960×311/96=960×(3+23/96)
なので,OからBに向かって960×23/96=230cm離れた点となります。

(5) 5回目の出会いまでにかかるそれぞれの時間の比は⑧:⑫:⑯:⑳:㉔の逆比になるので,30:20:15:12:10です。
これらの和が145秒ですから,1回目の出会いにかかる時間は145×30/87=50秒,
つまり,P・Qの速さの和である⑧=960÷50=19.2となるので,
[あ]:③=7.2
[い]:⑤=12
[う]:①=2.4
[え]:③=7.2
です。

速さの問題ですが,状況図やダイヤグラムをそれほど使わずに解ける,なかなか面白い問題かなと思います。
ただ、この問題を見た瞬間に吐き気をもよおした人は多かったのではないでしょうか(やや大げさ)。
・見たことない問題(実はしょっちゅうやっている問題)、
・本来ならヒントになるはずの表に何を書いていいのかが分からない、
・そもそも問題文が長すぎる、
等々・・・
(3)まで取れれば十分かなという感じです。

全体の得点配分としても、おそらく出題者の計算としては大問1番で4問中平均3問,大問2番3番4番で11問中平均6,7問
というところが,大問1番で平均2.5問程,大問2,3,4番で5.5問となってしまって平均が下がったのかも。

入試問題の難易度設定は難しいですね…(^^; (池)
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