2017(H29)入試分析 算数 神戸女学院中等部
2017.02.21 15:13|入試問題分析(算数)|
今回は神戸女学院です。
受験者254名に対して合格者が158名。実質倍率は1.61倍です。
合格最低点は体育実技(20点)を含めて,251点/460点。筆記で6割取れればおつりが来ます。
そう考えると,取れるところをしっかり取れれば十分に届きそうな気がしませんか?
各問題に目を通してみると,
大問1 カレンダー&日暦算。(1)は余裕。(2)は「31日まで」という指定を見落とさなければ大丈夫でしょう。
大問2 速さの問題。比合わせをするときにミスをしなければ(1)~(3)まで取れそうです。
大問3 神女お得意の整数条件の絡む範囲問題です。問題文をしっかり読んで(1)だけは押さえておきましょう。
大問4 平面上の点の移動の問題。(1)(2)をしっかりと作図して取りたいですね。(3)は微妙…
大問5 立体図形のくりぬき問題。今回はこれを取り上げます。
大問6 サイコロ問題。よくある問題ですが,多くの子が嫌がる問題なので,逃げずに挑んできた子は貯金できたかも。
少なくとも(1)だけは取っておきたいです。
(問題)H29 神戸女学院中等部 算数 大問5
1辺10cmの立方体から,図のように斜線をつけた1辺4cmの正方形をたてと横の2方向に反対の面まで
まっすぐ2つくりぬきます。

(1) くりぬいた後の立体の体積を求めなさい。
(2) くりぬいた後の立体の表面積を求めなさい。
(1) くりぬいた体積を考えるために,与えられた見取図の上面・前面・右面に透かした穴を描き込んでみましょう。
縦・横・高さ方向の平行線に注意しながら書き込むとより見やすい図になります。

こんな感じになりました。これだけではいまいち頭の中で把握しづらいという人はくりぬき部分の見取図を描きましょう。

これらの図より,2本の直方体の一部が重なっているのがわかるかと思います。
重なり部分の体積は2×4×4=32cm^2なので,4×4×10×2-32=288cm^2がくりぬいた体積です。
10×10×10-288=712cm^3となります。
(1)を解くだけなら,段ごとのスライス図を描くのも手ですが,(2)をスライス図で解こうとするとおそらくミスが多発するので,
あえてこちらの解法をお勧めしておきます。
(2) くりぬいた後の表面積ということなので,元の立方体の表面積(10×10×6=600cm^2)からどれだけ増減したかを
考えてみましょう。
くりぬき問題の表面積増減は,くりぬいた立体の表面積のうち,どの部分が【増】にあたり,どの部分が【減】にあたるか,
これをつかむことがカギになります。
今回は上の見取図の4つの正方形(4×4×4=64cm^2)が【減】にあたり,残りが【増】ということになります。
くりぬいた立体の表面積は,
上下…4×10+4×4-4×2=48cm^2 → 上下で2倍して96cm^2
前後…同じく96cm^2
左右…4×10×2-4×4=64cm^2 → 左右で2倍して128cm^2
96+96+128=320cm^2です。
そのうち,【減】が64cm^2 【増】が320-64=256cm^2ですから,求める答えは600-64+256=792cm^2です。
見取図が上手く描ければずいぶん楽に解けた問題だったと思います。
過去問では2003年の1番でほぼ同じような立体が出題されていますので,普段から見取図を描く練習をしていた
人にはなおさら有利だったでしょう。平面図を駆使したり,段ごとのスライス図を使っても解くことはできますが,
武器は多いにこしたことはありません。特に5年生のうちからしっかりと見取図を描く練習をしておきましょう。(池)
受験者254名に対して合格者が158名。実質倍率は1.61倍です。
合格最低点は体育実技(20点)を含めて,251点/460点。筆記で6割取れればおつりが来ます。
そう考えると,取れるところをしっかり取れれば十分に届きそうな気がしませんか?
各問題に目を通してみると,
大問1 カレンダー&日暦算。(1)は余裕。(2)は「31日まで」という指定を見落とさなければ大丈夫でしょう。
大問2 速さの問題。比合わせをするときにミスをしなければ(1)~(3)まで取れそうです。
大問3 神女お得意の整数条件の絡む範囲問題です。問題文をしっかり読んで(1)だけは押さえておきましょう。
大問4 平面上の点の移動の問題。(1)(2)をしっかりと作図して取りたいですね。(3)は微妙…
大問5 立体図形のくりぬき問題。今回はこれを取り上げます。
大問6 サイコロ問題。よくある問題ですが,多くの子が嫌がる問題なので,逃げずに挑んできた子は貯金できたかも。
少なくとも(1)だけは取っておきたいです。
(問題)H29 神戸女学院中等部 算数 大問5
1辺10cmの立方体から,図のように斜線をつけた1辺4cmの正方形をたてと横の2方向に反対の面まで
まっすぐ2つくりぬきます。

(1) くりぬいた後の立体の体積を求めなさい。
(2) くりぬいた後の立体の表面積を求めなさい。
(1) くりぬいた体積を考えるために,与えられた見取図の上面・前面・右面に透かした穴を描き込んでみましょう。
縦・横・高さ方向の平行線に注意しながら書き込むとより見やすい図になります。

こんな感じになりました。これだけではいまいち頭の中で把握しづらいという人はくりぬき部分の見取図を描きましょう。

これらの図より,2本の直方体の一部が重なっているのがわかるかと思います。
重なり部分の体積は2×4×4=32cm^2なので,4×4×10×2-32=288cm^2がくりぬいた体積です。
10×10×10-288=712cm^3となります。
(1)を解くだけなら,段ごとのスライス図を描くのも手ですが,(2)をスライス図で解こうとするとおそらくミスが多発するので,
あえてこちらの解法をお勧めしておきます。
(2) くりぬいた後の表面積ということなので,元の立方体の表面積(10×10×6=600cm^2)からどれだけ増減したかを
考えてみましょう。
くりぬき問題の表面積増減は,くりぬいた立体の表面積のうち,どの部分が【増】にあたり,どの部分が【減】にあたるか,
これをつかむことがカギになります。
今回は上の見取図の4つの正方形(4×4×4=64cm^2)が【減】にあたり,残りが【増】ということになります。
くりぬいた立体の表面積は,
上下…4×10+4×4-4×2=48cm^2 → 上下で2倍して96cm^2
前後…同じく96cm^2
左右…4×10×2-4×4=64cm^2 → 左右で2倍して128cm^2
96+96+128=320cm^2です。
そのうち,【減】が64cm^2 【増】が320-64=256cm^2ですから,求める答えは600-64+256=792cm^2です。
見取図が上手く描ければずいぶん楽に解けた問題だったと思います。
過去問では2003年の1番でほぼ同じような立体が出題されていますので,普段から見取図を描く練習をしていた
人にはなおさら有利だったでしょう。平面図を駆使したり,段ごとのスライス図を使っても解くことはできますが,
武器は多いにこしたことはありません。特に5年生のうちからしっかりと見取図を描く練習をしておきましょう。(池)
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