2017(H29)入試分析 算数 洛星中学校 後期
2017.03.13 15:08|入試問題分析(算数)|
前期から少し開きましたが,今回は洛星中学校の後期の問題を見てみましょう。
まずは入試情報から。
受験者数:276人→212人→226人→284人→242人→265人
合格者数:43人→42人→45人→40人→43人→44人
実質倍率:6.42倍→5.05倍→5.02倍→7.10倍→5.63倍→6.02倍
3科受験倍率:4.13倍→3.33倍→3.21倍→6.35倍→5.83倍→3.76倍
4科受験倍率:11.69倍→8.13倍→8.31倍→7.65倍→5.55倍→10.4倍
去年・一昨年は3科受験生が例年に比べてきつかったのですが,今年はそれ以上に揺り戻しがありました。
各教科の受験者平均はこんな感じ。
国語:66.5→69.6→54.9→66.2→61.2→58.9
算数:59.1→68.5→62.4→51.4→53.6→61.4
理科:42.5→39.5→54.1→44.8→52.5→42.5
社会:38.8→41.8→54.9→51.3→58.4→58.5
総合:205.7→217.9→222.8→210.6→222.0→215.4
やはり算数の平均が低いときは3科受験生がきついという感じですね。
では各問題の方に目を向けてみます。
大問1 (1)計算問題(2)単位分数分解(3)重なりの問題(4)トリボナッチ数列
このあたりは軽く全問正解できないと,後期での合格は厳しいでしょう。
大問2 (1)定番の風車切りは合わせましょう。
(2)回転体 これは結構きついのかな。「どこが分かれば解けるのか」を意識しないと糸口が見えにくいですね。
大問3 旅人算ですが,洛星後期の割には難易度は低いです。是非とも全問正解しておきたいところ。
ダイヤグラムでも状況図でも解けますが,ややダイヤグラムの方が楽かな。
大問4 図形の移動。(1)も(2)も今まで解いてきた問題の組み合わせであると気づけばそれほど難しくもない?
今回はこれを取り上げます。
大問5 数表の問題。この手の問題を解くときに必要な,概要図を描くことができれば十分得点が期待できます。
0から並べ始めていることや,左半分は上から下に整数が並んでいることに注意!
大問6 サイコロ問題。6年生になると触れることがぐっと減るので,正答率は低いと思われますが,
(1)は必須です。全てのサイコロが同じ方向を向いていると気づけばそのあともそれほど苦も無く
解けるのと思うのですが,(2)はくっついていない面も足し合わせてしまう子がいそうですね。
(3)を解くときに気づいてくれるとよいのですが…(-_-;)
では,大問4番です。
(問題)H29 洛星中学校 後期 算数 大問4
長さが4cmの棒ABとCDがあります。これを真ん中の点Mで垂直に交わるように固定して図1のような十字の形を
作ります。また,図2のような点Oを中心とする半径2cmの円があります。図3のように,十字の形の棒を点Aと点O,
点Mと点Eが重なるようにおきます。

この状態から十字の形の棒を,点Mが円周上を通って点Fに重なるまで移動させます。
(1) 十字の形の棒を,棒の向きが変わらないように矢印の向きに移動させます。このとき,十字の形の棒が通った
部分の面積はいくらになりますか。ただし,棒の太さは考えないものとします。

(2) 十字の形の棒を,点Aが円の中心Oから動かないように矢印の向きに移動させます。このとき,十字の形の棒が
通った部分の面積はいくらになりますか。ただし,棒の太さは考えないものとします。

実は,いずれの問題も横棒と縦棒をそれぞれ動かし,それを重ねてしまえば簡単に作図はできてしまいます。
(1) 下の図は,上から順に,「横棒の通過部分」「縦棒の通過部分」「重ね合わせたもの」となっています。

最後の図を見ていただければわかるように,1辺2cmの正方形3つ分の面積になっていますから,
2×2×3=12cm^2ですね。
(2) (1)同様に「横棒の通過部分」と「縦棒の通過部分」を重ねると一番右下の状態になります。

大きな赤いおうぎ形(半径4cm,中心角90°)にちっちゃなおまけを2つつければよいですね。
おまけは 中心角45°,半径×半径=4×4÷2=8のおうぎ形から2×2÷2=2cm^2の直角二等辺三角形を
引けばよいので,4×4×3.14×1/4+8×3.14×1/8×2-2×2=14.84cm^2となります。
幅のあるものを移動するときは,全体をまとめて動かすと非常に動きが見えにくくなるときがあります。
そういうときは,いくつかに分割して考えたり,頂点ごとの動きに注目したりすると糸口が見えやすくなりますよ。(池)
まずは入試情報から。
受験者数:276人→212人→226人→284人→242人→265人
合格者数:43人→42人→45人→40人→43人→44人
実質倍率:6.42倍→5.05倍→5.02倍→7.10倍→5.63倍→6.02倍
3科受験倍率:4.13倍→3.33倍→3.21倍→6.35倍→5.83倍→3.76倍
4科受験倍率:11.69倍→8.13倍→8.31倍→7.65倍→5.55倍→10.4倍
去年・一昨年は3科受験生が例年に比べてきつかったのですが,今年はそれ以上に揺り戻しがありました。
各教科の受験者平均はこんな感じ。
国語:66.5→69.6→54.9→66.2→61.2→58.9
算数:59.1→68.5→62.4→51.4→53.6→61.4
理科:42.5→39.5→54.1→44.8→52.5→42.5
社会:38.8→41.8→54.9→51.3→58.4→58.5
総合:205.7→217.9→222.8→210.6→222.0→215.4
やはり算数の平均が低いときは3科受験生がきついという感じですね。
では各問題の方に目を向けてみます。
大問1 (1)計算問題(2)単位分数分解(3)重なりの問題(4)トリボナッチ数列
このあたりは軽く全問正解できないと,後期での合格は厳しいでしょう。
大問2 (1)定番の風車切りは合わせましょう。
(2)回転体 これは結構きついのかな。「どこが分かれば解けるのか」を意識しないと糸口が見えにくいですね。
大問3 旅人算ですが,洛星後期の割には難易度は低いです。是非とも全問正解しておきたいところ。
ダイヤグラムでも状況図でも解けますが,ややダイヤグラムの方が楽かな。
大問4 図形の移動。(1)も(2)も今まで解いてきた問題の組み合わせであると気づけばそれほど難しくもない?
今回はこれを取り上げます。
大問5 数表の問題。この手の問題を解くときに必要な,概要図を描くことができれば十分得点が期待できます。
0から並べ始めていることや,左半分は上から下に整数が並んでいることに注意!
大問6 サイコロ問題。6年生になると触れることがぐっと減るので,正答率は低いと思われますが,
(1)は必須です。全てのサイコロが同じ方向を向いていると気づけばそのあともそれほど苦も無く
解けるのと思うのですが,(2)はくっついていない面も足し合わせてしまう子がいそうですね。
(3)を解くときに気づいてくれるとよいのですが…(-_-;)
では,大問4番です。
(問題)H29 洛星中学校 後期 算数 大問4
長さが4cmの棒ABとCDがあります。これを真ん中の点Mで垂直に交わるように固定して図1のような十字の形を
作ります。また,図2のような点Oを中心とする半径2cmの円があります。図3のように,十字の形の棒を点Aと点O,
点Mと点Eが重なるようにおきます。

この状態から十字の形の棒を,点Mが円周上を通って点Fに重なるまで移動させます。
(1) 十字の形の棒を,棒の向きが変わらないように矢印の向きに移動させます。このとき,十字の形の棒が通った
部分の面積はいくらになりますか。ただし,棒の太さは考えないものとします。

(2) 十字の形の棒を,点Aが円の中心Oから動かないように矢印の向きに移動させます。このとき,十字の形の棒が
通った部分の面積はいくらになりますか。ただし,棒の太さは考えないものとします。

実は,いずれの問題も横棒と縦棒をそれぞれ動かし,それを重ねてしまえば簡単に作図はできてしまいます。
(1) 下の図は,上から順に,「横棒の通過部分」「縦棒の通過部分」「重ね合わせたもの」となっています。

最後の図を見ていただければわかるように,1辺2cmの正方形3つ分の面積になっていますから,
2×2×3=12cm^2ですね。
(2) (1)同様に「横棒の通過部分」と「縦棒の通過部分」を重ねると一番右下の状態になります。

大きな赤いおうぎ形(半径4cm,中心角90°)にちっちゃなおまけを2つつければよいですね。
おまけは 中心角45°,半径×半径=4×4÷2=8のおうぎ形から2×2÷2=2cm^2の直角二等辺三角形を
引けばよいので,4×4×3.14×1/4+8×3.14×1/8×2-2×2=14.84cm^2となります。
幅のあるものを移動するときは,全体をまとめて動かすと非常に動きが見えにくくなるときがあります。
そういうときは,いくつかに分割して考えたり,頂点ごとの動きに注目したりすると糸口が見えやすくなりますよ。(池)
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