2017(H29)入試分析 算数 神戸海星女子学院中学校(A日程)
2017.03.17 16:14|入試問題分析(算数)|
今回は神戸海星女子学院中学校(A日程)の問題です。
受験者数117名に対して合格者数99名。実質倍率は1.18倍です。
合格最低点は173/360なので半分弱でも合格ですが,受験生の層を考えると
算数ではちょっと難しいというレベルの問題がたくさん出題されているので,
取れない子はとことん取れなかったかもしれませんね。
各問題を見てみましょう。
[1] (1)単なる計算問題。正解必須です。
(2)比のかけ算の問題。苦手とする子が多いところです。
(3)棒の本数を数える問題。神戸海星受験者層では練習量は不足しているかも…?
(4)角度の問題。できてほしいところです…
(5)平面図形の面積。見慣れた形ですからこれは取りたい。
[2] 分数の大小関係。(2)は整数倍してできる問題なので大丈夫ですが,(1)(3)はできない子は両方とも
間違えた可能性が高そうです。(1)は小数で考えると楽なんですけどね…
[3] 濃度の問題。3つのてんびんを抵抗なく使える子は楽なんですが,なぜか算数の先生の中には
3つのてんびんを頑なに使わない人がいるので,正解率はどんなものか…?
[4] 平均の問題。(1)は問題文をきちんと読み取れば正解できます。(2)は(1)よりも更に題意を
読み取りづらいかな…
[5] 水問題。これも(1)からきつめですね。(1)ができないと(2)もできません…
[6] 速さの問題。今回はこれを取り上げます。
こうやって書いてみると,確実に点数を取れそうなところが非常に少ないですね。
点数情報がどうなっているのか知りたいところです。
では、6番を見てみましょう。
(問題)H29 神戸海星女子学院中学校・算数(A日程) 大問6番
Aさん,Bさん,Cさんの3人は1周200mのトラックで5000m走をしました。Aさんは25分で,Bさんは40分かかって
ゴールしました。3人はそれぞれ常に同じ速さで走っているものとし,次の問いに答えなさい。
(1) Aさんがゴールしたとき,Bさんはあと何周と何m走らなければなりませんか。
(2) Aさんが5000m走り終えるまでに,Bさんに追いつき追いこした回数は何回ですか。
(3) Cさんは5000m走り終えるまでに,5回Bさんに追いつき追いこしました。Cさんの走る速さは,
分速何mより大きく何m未満でしたか。
(1) これは簡単。AさんとBさんの5000mにかかる時間の比は25:40=5:8ですから,速さの比は8:5。
つまり,Aさんが5000m走った時点で,Bさんは5000×3/8=1875m残していることになります。
これは,1875÷200=9周…75mです。
(2) この手の問題は,「追いこした回数」→「何周差つけたか」と読み替えることができるかにかかっています。
そうすると,(1)で9周と75m差ついていることがわかっていますので,そのまま9回が答えです。
(3) Bさんの速さは5000÷40=125m/分です。これを基準にCさんの速さを考えましょう。
(2)と同様に考えると,CさんはBさんに5周~6周の差をつけたということになりますね。
5周差の場合:Cさんが5000÷200=25周する間に,Bさんは25-5=20周ということになります。
125×25/20=625/4 → 分速625/4mです。
6周差の場合:Cさんが25周する間に、Bさんは25-6=19周ということになります。
125×25/19=3125/19 → 分速3125/19mです。
つまり,分速625/4mより大きく,分速3125/19m未満が答えですね。
着眼点が明確になっていればすんなり解けるんですが,なかなかこれが身につかない子が多いようですね。
最初に速さの問題を解くときから,当たり前のようにこれを使っていくことが重要なのかなとも思います。
全てが全て,定型の解き方があるわけではないですが,型のある問題はしっかりとその型を身につけて
おきたいところです。(池)
受験者数117名に対して合格者数99名。実質倍率は1.18倍です。
合格最低点は173/360なので半分弱でも合格ですが,受験生の層を考えると
算数ではちょっと難しいというレベルの問題がたくさん出題されているので,
取れない子はとことん取れなかったかもしれませんね。
各問題を見てみましょう。
[1] (1)単なる計算問題。正解必須です。
(2)比のかけ算の問題。苦手とする子が多いところです。
(3)棒の本数を数える問題。神戸海星受験者層では練習量は不足しているかも…?
(4)角度の問題。できてほしいところです…
(5)平面図形の面積。見慣れた形ですからこれは取りたい。
[2] 分数の大小関係。(2)は整数倍してできる問題なので大丈夫ですが,(1)(3)はできない子は両方とも
間違えた可能性が高そうです。(1)は小数で考えると楽なんですけどね…
[3] 濃度の問題。3つのてんびんを抵抗なく使える子は楽なんですが,なぜか算数の先生の中には
3つのてんびんを頑なに使わない人がいるので,正解率はどんなものか…?
[4] 平均の問題。(1)は問題文をきちんと読み取れば正解できます。(2)は(1)よりも更に題意を
読み取りづらいかな…
[5] 水問題。これも(1)からきつめですね。(1)ができないと(2)もできません…
[6] 速さの問題。今回はこれを取り上げます。
こうやって書いてみると,確実に点数を取れそうなところが非常に少ないですね。
点数情報がどうなっているのか知りたいところです。
では、6番を見てみましょう。
(問題)H29 神戸海星女子学院中学校・算数(A日程) 大問6番
Aさん,Bさん,Cさんの3人は1周200mのトラックで5000m走をしました。Aさんは25分で,Bさんは40分かかって
ゴールしました。3人はそれぞれ常に同じ速さで走っているものとし,次の問いに答えなさい。
(1) Aさんがゴールしたとき,Bさんはあと何周と何m走らなければなりませんか。
(2) Aさんが5000m走り終えるまでに,Bさんに追いつき追いこした回数は何回ですか。
(3) Cさんは5000m走り終えるまでに,5回Bさんに追いつき追いこしました。Cさんの走る速さは,
分速何mより大きく何m未満でしたか。
(1) これは簡単。AさんとBさんの5000mにかかる時間の比は25:40=5:8ですから,速さの比は8:5。
つまり,Aさんが5000m走った時点で,Bさんは5000×3/8=1875m残していることになります。
これは,1875÷200=9周…75mです。
(2) この手の問題は,「追いこした回数」→「何周差つけたか」と読み替えることができるかにかかっています。
そうすると,(1)で9周と75m差ついていることがわかっていますので,そのまま9回が答えです。
(3) Bさんの速さは5000÷40=125m/分です。これを基準にCさんの速さを考えましょう。
(2)と同様に考えると,CさんはBさんに5周~6周の差をつけたということになりますね。
5周差の場合:Cさんが5000÷200=25周する間に,Bさんは25-5=20周ということになります。
125×25/20=625/4 → 分速625/4mです。
6周差の場合:Cさんが25周する間に、Bさんは25-6=19周ということになります。
125×25/19=3125/19 → 分速3125/19mです。
つまり,分速625/4mより大きく,分速3125/19m未満が答えですね。
着眼点が明確になっていればすんなり解けるんですが,なかなかこれが身につかない子が多いようですね。
最初に速さの問題を解くときから,当たり前のようにこれを使っていくことが重要なのかなとも思います。
全てが全て,定型の解き方があるわけではないですが,型のある問題はしっかりとその型を身につけて
おきたいところです。(池)
スポンサーサイト
