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甲陽中学校 算数(2日目) 2019(H31)入試分析

2019.03.05 22:38|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田です。

甲陽算数第一日に続いて第二日をとりあげたいと思います。

前回の第一日の記事でも書いたように平均点が
54.0→56.3→61.4→53.1→47.5→54.3→58.3→40.3
と近年ではかなり低く、難しい試験になりました。

しかし奇問であるというわけではなく、わかりやすく典型的なお題ではあったのでしっかり勉強してると差をつけることができたと思います。
ハイレベルな典型問題をしっかりやりこんでいきましょう。
第二日の目標は6割です。


【問題分析】

○大問1
どちらもレベルが高めの典型問題の解法を使う問題です。
しっかりあわせたいです。
(1)アはブーメラン型に見えるので,ア=72°+○+●を考えると○+●を求めればよくなります。○○+●●+72°=180°より○+●=54°とわかりア=72°+54°=126°です。また△+×=(180°-94°)÷2=43°で,三角形の外角を考えるとイ=72°+○より同様にして
イ+ウ+エ+オ=72°+○+72°+●+94°+△+94°+×=429°
(2)連続する整数の和に分解する方法は
○(真ん中の整数)×(奇数個)
○(真ん中2つの整数の平均値)×(偶数個)
の二つでした。
連続する個数が最も多くなるのは
1000=2×2×2×5×5×5
より奇数個の時は5×5=25個,真ん中の整数2×2×2×5=40
偶数個の時は2×2×2×2=16個,真ん中2つの整数の平均5×5×5÷2=62.5で奇数個の方が多くなり,一番小さい数は40-12=28,一番大きい数は40+12=52とわかります。

○大問2
レベルが高い問題集に載ってるような典型問題です。よく勉強している人はばっちりとれたと思います。
(1)
kouyou_2019_2_m2-kaisetu1.jpg
図のようにダイアグラムをかくと点対称になっていることがわかります。
これがこの問題のポイントです。
なのでAとBが1回目に出会った時はQから17.5kmの地点なのでPから42-17.5=24.5kmです。
(2)24.5:17.5=7:5より上りと下りの速さの比は5:7です。
したがって図のように比がわかって
[5]+[7]-[7]×5/12=327分より[1]=36なので[5]+[7]=432分=7時間12分より8時12分とわかります。
(3)上りは[7]×5/12=35分で17.5km進むので17.5÷(105/60)=10km/時
下りは10×7/5=14km/時より静水時の船の速さは(14+10)÷2=12km/時,川の流れの速さは(14-10)÷2=2km/時


○大問3
よく見かける問題ですが(2)はAからBなどに直行しても時間があまるところに気を付けて解く必要があります。しっかりあわせて得点を稼いでおきたいところです。
(1)Aを扇型ABCが三つより10×10×3.14×60°/360°×3=157cm^3とわかります。
(2)
kouyou_2019_2_m3-kaisetu1.jpg
Aから面ABCを通っていく場合,青色のところのようにBやCに到達すると5秒余るので台に5cmの円がそれぞれでき,BCを通過してまっすぐ進むと半径15cm,中心角60°の扇形になります。他の二面も考えると図のようになり
半径5cmで中心角60°の扇形が3つと,半径15cmで中心角60°の扇形3つより
5×5×3.14×60°/360°×3+15×15×3.14×60°/360°×3=392.5cm^2


○大問4
図形を回転させる問題です。
回転の中心となる点からの距離が最大と、最小を考える解法を勉強して身についているかどうかです。
勉強の成果は反映されやすい問題です。
(1)
kouyou_2019_2_m4-kaisetu1.jpg
操作①において点Dからの棒までの距離が最大の点の回転は赤色と緑色,最小の点の回転は青色の線になります。
面積は4×4×3.14÷2-4×4÷2×3.14÷4-4×2÷2×2=10.84cm^2
(2)
kouyou_2019_2_m4-kaisetu2 (1)

操作③において点Fからの棒までの距離が最大の点の回転は赤色.最小の点の回転は青色の線になります。
面積は10.84÷2+4×4×3.14÷4+4×4÷2+8×8×3.14÷4-8×8÷2×3.14÷4=51.1cm^2


○大問5
今回はこの問題をとりあげます。


○大問6
複雑ではありますが,影の問題をしっかり勉強して解法を駆使すればきっちり解ける問題です。
(1)
kouyou_2019_2_m6-kaisetu1.jpg

Pの高さとピラミッドの頂点の高さの比は120:60=2:1より,Pから頂点までの線分を二倍に伸ばして影の頂点に対応する点を考えて,影は赤い三角形となります。
30×60÷2=900m^2

(2)
kouyou_2019_2_m6-kaisetu2.jpg
ドローンがQにいるときを考えると,Qの高さとピラミッドの頂点の高さn比は90:60=3:2より,Pから頂点までの線分を三倍に伸ばして影の頂点に対応する点を考えて,影は緑の三角形となります。
よってドローンがPからQまで移動すると,影の頂点に対応する点が紫の線分のようになり,紫の斜線部の面積を求めて
150×150-60×60-150×90÷2-60×150÷2=7650m^2



大問5をとりあげます。
どれが重複していて、引くことで何が欠けるかなど考えるとややこしくなり頭が痛くなりそうです。
しかしサイコロ2個振る問題のようにまず表を書いていって規則性の問題のように対処すると,頭を痛めずに求められます。
色々な処理を吸収していきましょう!

(問題)H31 甲陽学院中学校 算数(第1日) 大問5番
A,Bはともに1以上100以下の整数とします。次のようになるA,Bの選び方は何通りありますか。ただし,例えばAが1, Bが3の場合と,Aが3,Bが1の場合とは別の選び方とします。また,AとBが同じ数である場合もふくみます。
(1)AとBの積が3の倍数となる選び方。

(2)AとBの積が9の倍数となる選び方

(3)AとBの積が27の倍数となる選び方。



[解説]
(1)1以上100以下には3の倍数が100÷3=33余り1より33個なので
(Aが3の倍数)+(Bが3の倍数)-(AとBともに3の倍数)=33×100+33×100-33×33=5511通り

(2)
kouyou_2019_2_m5-kaisetu1.jpg

1以上100以下には9の倍数が100÷9=11余り1より11個
表より
Aが9の倍数またはBが9の倍数になるところは
11×100+11×100-11×11=2079個
Aが3の倍数かつBが3の倍数になるところは33×33=1089個

赤い重複になっているAとBともに3の倍数で少なくとも一方は9の倍数になるところは
33×11+33×11-11×11=605個

よって
2079+1089-605=2563通り

(3)
kouyou_2019_2_m5-kaisetu2.jpg
1以上100以下には27の倍数が100÷27=3余り19より3個
表より
AとBともに3の倍数で少なくとも一方は9の倍数になるところは605個

Aが27の倍数またはBが27の倍数になるところは
3×100+3×100-3×3=591個

図の赤い重複になっている,AとBともに3の倍数で少なくとも一方は27の倍数になるところは
33×3+33×3-3×3=189個

よって605+591-189=1007通り

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甲陽中学校 算数(1日目) 2019(H31)入試分析

2019.02.28 17:19|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田和幸です。

甲陽学院中学算数1日目の問題をとりあげたいと思います。

【入試資料分析】
受験者数 389名→363名→350名→349名→317名→382名→369名→402名→393名
合格者数 218名→216名→219名→219名→215名→220名→219名→222名→220名
実質倍率 1.78倍→1.68倍→1.60倍→1.59倍→1.47倍→1.74倍→1.68倍→1.81倍→1.79倍去年に引き続き今年も例年より高めの倍率となりました。

各科目の得点情報は算数1日目は平均点が高かったですが2日目の平均点はかなり低くく1日目と2日目の問題の難易度の差が激しい結果になりました。
受験者平均
国語① 64.9→49.4→63.1→62.0→56.5→53.6→55.2→56.9
国語② 59.9→59.0→69.5→49.3→60.7→59.7→52.8→60.8
算数① 56.0→49.8→60.3→62.1→58.3→58.9→62.1→63.8
算数② 54.0→56.3→61.4→53.1→47.5→54.3→58.3→40.3
理科  54.7→52.1→67.9→53.7→59.8→56.9→47.9→62.8
合格者平均
国語 132.0→114.9→138.1→117.7→125.4→119.9→117.1→125.2
算数 128.6→122.6→138.3→127.2→119.0→130.5→141.4→122.6
理科 58.8→58.1→71.7→57.1→59.8→60.6→53.3→67.6

算数の(①の平均点)+(②の平均点)は
110.0→106.1→121.7→115.2→105.8→113.2→120.4→104.1
これと合格者平均との差は
18.6→20.5→16.6→12→13.2→17.3→21→18.5

結果として算数合計でも例年より低めとなりました。

しかし対策すれば解けるような問題ではあったので,算数で差をつけることも出来る試験でもあったと思います。
第一日の目標は8割です。


【問題分析】
○大問1
基本問題のうち捻ったものがうまく出題されています。
正解してほしいところです。
(1)
kouyou_2019_1_m1-kaisetu1.jpg
点Oについて対称に弦を描けば円から正方形を取り除いた部分の4等分したものとわかります。
(10×10×3.14-10×10)÷4=53.5cm^2
今年の灘の1日目でも同じ解法が使える問題がありました

(2)上に2回,右に2回,斜めに1回進めばいいので,進み方は↑↑→→↗の並べ方と1対1に対応する。よって並べ方は↗の場所は5通り,残り4つの場所から2つ選んで↑↑を入れて
5×(4×3÷2)=30通り
数学的な解き方ですが,この解き方でなくてもどの斜めの線を通ったかで場合わけして全部足すなどして求められます。
力技で求めることも大切なことです。


○大問2
特に何もない普通のニュートン算の問題です。素早く正確にあわせておきたいです。
(1)(2)始めにたまっていた水の量を☐cm^2,排水口1つが1分で排出できる水の量を①cm^2とすると
☐=(④-270)×24
☐=(⑤-270)×16
これで(④-270)×24=(⑤-270)×16より①=135,☐=(135×4-270)×24=6480
とわかります。
(3)6480÷(135×7-270)=9.6より9.6分


○大問3
正六角形を6つに正三角形に分割して正三角形のマス目で比を考えるよくある問題です。
しっかりあわせたいですね。
(1)
kouyou_2019_1_m3-kaisetu1.jpg
青の三角形は正六角形の2/6=1/3です。
HI:BD=1:2,HIとBDを底辺と考えると高さの比は5:4になるので
18×1/3×1/2×5/4=15/4cm^2とわかります。
(2)
kouyou_2019_1_m3-kaisetu2.jpg
(緑+赤)の三角形は青の三角形と底辺が同じ長さで高さは2/3
赤の三角形は正六角形の1/24より
(18×1/3)×2/3-18×1/24=13/4cm^2


○大問4
特に何もない普通の旅人算です。
基礎をしっかり練習して素早く正確に固めておきましょう。

(1)円周の一周の長さを[90]とすると,A,B,Cは[30]ごとに等間隔に並んでる状態から出発することになります。それぞれの速さの差は
A-B [30]÷6=[5],A-C [60]÷20=[3],これらの差から
C-B [5]-[3]=[2]でCがBに追いつくのは[60]÷[2]=30分後
(2)Aの速さは[90]×10÷30=[30]/分
Bは[30]-[5]=[25]/分より[90]÷25=3分26秒
Cは[30]-[3]=[27]/分より[90]÷27=3分20秒


○大問5
よくある普通の回転体の問題です。
確実にとりましょう!
(1)
kouyou_2019_1_m5-kaisetu1.jpg
赤の三角形を緑に移動させると,相似から半径が3×4/5,高さが5cmの円柱となり
12/5×12/5×3.14×5=90.432cm^3
(2)ADを母線にした円すいの側面と,BCを母線にした円すいの側面と,ABが回転することで出来る円柱の側面の和なので
(3×12/5×3.14)×2+12/5×2×3.14×5=120.576cm^2


○大問6
間違えるとしたらこの問題です。
最後の問題で時間も少ないし焦りやすいので,規則性の問題の解き方にどれだけ慣れているかがポイントです。

(問題)H31 甲陽学院中学校 算数(第1日) 大問6番
次のように数が並んでいます.ただし,1行目には1から19までの19個の整数が並んでいます。
kouyou_2019_1_m6-1.jpg
(1)5行目の一番左の数はないですか.

(2)19行目の数は何ですか.

(3)これらの数全体の中に17の倍数は何個ありますか.


[解説]
(1)
kouyou_2019_1_m6-kaisetu1.jpg
書きくだして28になります。
このように実際書いてみて,規則性を見いだすように誘導されています。

(2)
kouyou_2019_1_m6-kaisetu2.jpg
1から5までの整数なら,(1+5)÷2=3を3-1=2回4倍して3×4×4=48
同じようにやると1から19までの整数なら,(19+1)÷2=10を10-1=9回4倍して
10×4×4×4×4×4×4×4×4×4=2621440

(3)
kouyou_2019_1_m6-kaisetu3.jpg
赤い矢印のように両端以外の整数を4倍すると2段下の整数になります。
1行目の17からは右から3個目で,4倍ずつしたのが縦に3個並びます。
2行目の17からは左から8個目で同様にして、4倍ずつしたのが縦に8個並びます。
よって17の倍数は3+8=11個とわかります。

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筑波大学附属駒場中学校 算数 問題解説&入試分析★2019年(H31年)

2019.02.27 20:31|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田です。

今回は筑波大学附属駒場中学校の問題を取り上げます。

【入試資料分析】
倍率は例年並みです。
受験者数624人で合格者129人の倍率4.84倍

筑駒では最高点と最低点しか発表されていませんが、今年は最低点がここ10年でもっとも低かったです。
算数、国語、理科、社会、調査書、各100点ずつの500点満点で最高388点、最低322点


算数の問題は難しい問題というわけではなく素早い処理が求められる筑駒らしい問題でした。
ただし大問2問は書き上げた人と,問題のアプローチの仕方がわかった人でかかった時間と正解率に差が出たかもしれません。
大問4がすぐに出来ることを考えると,大問2などに時間をとられてしまって大問4にかける時間がないと点数がとれないので筑駒の過去問で戦略を研究して慣れておくことが重要です。
目標は8割です。
筑駒の傾向にあわせた対策と,時間配分を意識して練習していけば合格点とれます!



【問題分析】
○大問1
筑駒の問題は小さい数で書き下して規則性を見つけて,他の数の場合にあてはめるのが基本です。
非常に筑駒らしい処理になり,満点を狙いたいところです。
看板の番号と,その看板と0の看板の間の距離は
1…1
2…1/2
3…1/4
4…3/4
5…1/8
6…3/8
7…5/8
8…7/8
9…1/16
10…3/16
11…5/16
12…7/16
13…9/16
14…11/16
15…13/16
16…15/16
これを見ると
1 | 1/2 | 1/4,3/4 | 1/8,3/8,5/8,7/8 | 1/16,3/16,5/16,7/16,9/16,11/16,13/16,15/16|…
のように例えば
4群目の最後は全体で2×2×2=8番目で,分母が2×2×2=8で分子は奇数が4個
5群目の最後は全体で2×2×2×2=16番目で,分母が2×2×2×2=16で分子は奇数が2×2×2×2=8個
となるような群数列です。

31の看板は
2×2×2×2=16,2×2×2×2×2=32から6群目の中の31-16=15番目より分母は32で分子は15番目の奇数2×15-1=29。
したがって29/32kmです。

(2)2019の看板は
(2が10個の積)=1024,(2が11個の積)=2048より11群目の中の2019-1024=995番目より分母は2048,分子は995番目の奇数2×995-1=1989より1989/2048km

よってに1989/2048-29/32=133/2048km

(3)例えば工事3の図を見ると看板0から8までなら1/8kmずつの間隔で並んでいます。
看板0から2048では1/2048kmずつの間隔で並んでいることになるので2019個目の看板は2019-1=2018に注意して
0の看板から2018/2028=1009/1024kmのところにあります。
これは1024=(2が10個の積)より11群目の中の(1009+1)÷2=505番目です。
よって10群目の最後は全体で(2が9個の積)=512番目より全体で512+505=1017番目
つまり1017の看板とわかりました。


大問2
この問題を取り上げようと思います。


大問3
(1),(2)は基礎的な問題で落とせません。
(3)では少し複雑になっていきますが,ちょっと工夫する程度なのであわせたいところです。
(1)赤と白の進んだ長さの差が15mになればよいので
15÷(3.5-2)=10秒後
白はこのとき2×10=20m進むので15で割ると20÷15=1余り5よりAからの距離は5m

(2)(1)より赤と白は10秒ごとに一致します。
赤と青の進んだ長さの和が15cmになればよいので
15÷(3.5+1.3)=25/8
よって25/8秒ごとに赤と青は一致。
したがって10,20,30,…と25/8,25/8×2,25/8×3,…が最初に一致するのは50なので
50秒後
このとき白は2×50=100m進むので100÷15=6余り10よりAからの距離は10m

(3)(2)より赤と青は25/8ごとに一致
白はAからB,BからAまでそれぞれ15÷1.5=10秒ずつかかる。

0~10,20~30,40~50,…秒では白が往復せずにAを出発しBに到着した瞬間に再びAで点灯した動きと同じです。
もし白がこのA→Bを繰り返す動きしかないとすると
15÷(3.5-1.5)=15/2秒ごとに一致
25/8,25/8×2,25/8×3,…と15/2,15/2×2,15/2×3,…が最初一致するのは75/2より75/2秒ごとに一致する。
実際は0~10,20~30,40~50,…秒の間だけなのでこの場合に最初に一致するのは37.5×5=187.5秒

10~20,30~40,50~60,…秒では白が往復せずにBを出発しAに到着した瞬間に再びAで点灯した動きと同じです。
もし白がこのB→Aを繰り返す動きしかないとすると
15÷(3.5+1.5)=3秒ごとに一致
25/8,25/8×2,25/8×3,…と3,6,9,…が最初一致するのは75より75秒ごとに一致する。
実際は10~20,30~40,50~60,…秒の間だけなのでこの場合に最初に一致するのは75秒です。
よって75秒とわかりました。

このとき赤は3.5×75=262.5m進むのでAからの距離は262.5÷15=17余り7.5から7.5m

○大問4
(1),(2)は基本的で落とせません。(3)も△ABC+扇形としてしまいそうですが筑駒受けるならばこの程度はミスがないようにとりたいですね。

(1)(ア)の操作後のAの位置をA'とするとCA=CA'=AA'で正三角形なので
30°+60°+60°=150°

(2)(ア)(イ)(ウ)の操作でBAはAを中心に150°回転し
Aは半径5cm、中心角60°×2=120°度の円弧をえがきます。
150°と360°の最小公倍数は150°×12=1800°より(ア)(イ)(ウ)を12回繰り返します。
2×5×3.14×120°/360°×12=12.56cm

(3)
tukubakoma_2019_m4-kaisetu1.jpg

回転させると図のように点Bの回転による弧BB'は線分ABから飛び出すので注意してください。
きっちり点Cを中心にそれぞれの点を60°回転させましょう。
弧BB'と線分ABとの交点をDとするとCB=CD,∠DBC=75°より∠DCB=30°とわかり30°問題なので△ABCの面積と△DBCの面積はわかります。
求める面積は
(扇形CBD)+(扇形CAA')+(△ABC-△CBD)
=2.6×2.6×3.14×30°/360°+5×5×3.14×60°/360°+(5×5÷4-2.6×2.6÷4)
19.4122cm^2



(問題)2019年度 筑波大学附属駒場中学校 算数 大問2
長さが1cmのまっすぐな線をいくつか紙にかいて図形をつくります。
紙から鉛筆をはなさずに,この図形上のある1点Aから,すべての線をなぞってAに戻ることを考えます。
tukubakoma_2019_m2-1.jpg
例えば,4本の線でつくった図形1は,Aからすべての線を1回ずつなぞってAに戻れます。このとき,なぞった線の長さは4cmです。

tukubakoma_2019_m2-2.jpg

また,(あ)~(き)の7本の線でつくった図形2は,Aからすべての線を1回ずつなぞってAに戻ることはできませんが,(え)の線を2回なぞれば,他の線を1回ずつなぞってAに戻れます。このとき,なぞった線の長さは8cmです。

次の問いに答えなさい。
なお,すべての線をなぞってAに戻るまでの間で,Aを何度通ってもよいものとします。

(1)tukubakoma_2019_m2-3.jpg

(ア)~(コ)の10本の線でつくった図形3には,そのうち2本の線を2回,他の線をちょうど1回ずつなぞってAに戻る,長さ12cmのなぞり方があります。
このとき,2回なぞる2本の線の選び方は2通ります。
それぞれの選び方で,2回なぞる2本の線はどれですか。
2回なぞる2本の線の組み合わせを,(ア)~(コ)の記号で答えなさい。

(2)tukubakoma_2019_m2-4.jpg
12本の線でつくった図形Aには,そのうち4本の線を2回,他の線をちょうど1回ずつなぞってAに戻る,長さが16cmのなぞり方があります。このとき,2回なぞる4本の線の選び方は何通りありますか。

(3)tukubakoma_2019_m2-5.jpg
17本の線でつくった図形5には,そのうち5本の線を2回,他の線をちょうど1回ずつなぞってAに戻る,長さが22cmのなぞり方があります。このとき,2回なぞる5本の線の選び方は何通りありますか。



[解説]
一筆書きの問題です。
奇数本交わるところを奇点、偶数本交わるところを偶点とすると一筆書きが出来る条件は
○全て偶点である
または
○奇点が2つで奇点からはじまる

です。
この問題の場合は,Aからスタートするので全て偶点になればよいことになります。

一筆書きの問題のようにきっちり基本的事項は抑えているか,整理の仕方などが問われています。
(1)だけは落としてはいけません。
(2)と(3)どちらかは正解しておきたいです。

(1)tukubakoma_2019_m2-kaisetu1.jpg
奇点(赤色)が4つあるので,ここが偶点になるように2本線を入れて結びます。
緑の㋑と㋘,青の㋔と㋕
の2つになります。

(2)tukubakoma_2019_m2-kaisetu2.jpg
奇点がE,B,C,Dの4つあるので,ここが偶点になるように4本線を入れます。
Bは点Eか点Cか点Dと結ぶことになります。

BとE,CとDを結ぶ時,それぞれ青の場合と緑の場合の2通りずつで2×2=4通り

BとC,EとDを結ぶ時,それぞれ青の場合と緑の場合の2通りずつで2×2=4通り

BとD,CとEを結んだ時の1通りを2重に数えてるので4+4-1=7通り

(3)tukubakoma_2019_m2-kaisetu3.jpg
BとG,CとD,EとFを結ぶとき青と緑の2通りずつで2×2=4通り
BとC,GとF,DとEを結ぶとき青と緑の2通りずつで2×2=4通り
BとE,GとF,CとDを結ぶとき1通り
よって4+4+1=9通りになります。

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灘中学校 算数(2日目)2019(H31)入試分析 その3

2019.02.26 19:48|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田です。
前回の続きで灘中学校、2019年度算数2日目大問4,大問5をとりあげます。

大問4は高校数学の整数問題で普通に解ける問題ですが誘導に載って解いたとしても,基本的な考え方は素因数分解で,素因数分解の勉強になります。
大問5は立体をとらえるときに,高校数学では積分で体積を求めるときに断面を考えてますが,この問題も断面を考えることによって立体をとらえる問題です。類題がこれまで他の学校でも出題されてきましたが,断面の誘導が強く出ていて,断面で立体をとらえる勉強になります。


○大問4
どの辺の長さも,3cmのように整数に単位cmをつけて表される長方形を「整長方形」ということにします。ただし,正方形は整長方形に含めないことにします。

(1)整長方形の周の長さがa cm,面積がa cm^2であるとき,aにあてはまる整数は次の説明文のようにして求めることができます。空欄①,②,③に入る適当な数を答えなさい。
ただし,同じ番号の空欄には同じ数が入ります。

説明文
H31nada2-4-m1_20190219155601d69.jpg

右の図のように,整長方形ABCDがあり,周の長さはa cm,面積はa cm^2であるとします。
辺AB上に点P,辺BC上に点Q,辺CD上に点R,辺DA上に点Sを,直線PRと直線BCが平行で,直線SQと直線DCが平行になるようにとります。
BPの長さとSDの長さがどちらも[ ① ]cmであるとき,整長方形PBCRの面積と整長方形SQCDの面積の和はa cm^2になります。このとき,直線PRと直線SQが交わる点をTとすると,整長方形APTSの面積は[ ② ]cm^2になります。
このことから,整長方形APTSの直角をはさむ2辺の長さとして考えられるのは1cmと[ ② ]cmとなるため,aにあてはまる整数は[ ③ ]です。

(2)整長方形の周の長さがa cm,面積が(a×2)cm^2であるとき,aにあてはまる整数をすべて求めなさい。

(3)整長方形の周の長さがa cm,面積が(a×2+8)cm^2であるとき,aにあてはまる整数をすべて求めなさい。


[解説]
これは誘導に乗らなくても2辺の長さをx,y(x>y)とすれば
(1)はa=2×x+2×yで2×x+2×y=x×yという不定方式をとけばよくなります。
甲陽などでもx,yを自然数として2数の和と積が等しいx,yを求めろ(x+y=xyを解け)と言う問題がありましたが,同じように解けば
((xが2個分)+(yが2個分))は(xが4個分)より小さい
x×yを(xがy個分)と考えると,xは4個未満(3個以下)にならないといけなかったのでy=1,2,3のみ調べればよくなり(x,y)=(6,3)と解けました。
もっと数学の知識を使って式変形をすると
(x-2)×(y-2)=4
とやって4の約数の組みあわせを考えて
(x-2,y-2)=(4,1)より(x,y)=(6,3)とすぐに出ます。
(2)は4×x+4×y=x×yを解けばよく(x-4)×(y-4)=16と変形して(x-4,y-4)=(16,1),(8,2)より(x,y)=(20,5),(12,6)
(3)も4×x+4×y+8=x×yを解けばよく(x-4)×(y-4)=24と変形して(x-4,y-4)=(24,1),(12,2),(8,3),(6,4)と求めていけます。

誘導の意図をつかむ時間よりも安定して解けるので,このようにまず泥臭く勉強して解いて点数の最低値を底上げすることも合格するのに大切だと思います。

今回は問題の意図に沿って誘導に乗って解く方法を解説したいと思います。
(1)PBとSCの長さが等しいので長方形PBCRと長方形SQCDを並べて図のように長い長方形することが出来てこの面積がa cm^2になります。
H31nada2-4-kaisetu1 (1)
この長い長方形は底辺の長さが周の半分でa÷2 cmで,高さを☐ cmとすると
(a÷2)×☐=a
なので☐=2とわかります。
正方形TQCRは2×2=4なので
(長方形ABCD)=(長方形APTS)+(長方形PBCR)+(長方形SQCD)-(正方形TQCR)
より
a=(長方形APTS)+a-4
なので長方形APTSの面積は4cm^2とわかります。
よって1×4の組み合わせしかないのでa=((1+2)+(4+2))×2=18とわかりました。

(2)同じように
(a÷2)×☐=2×aから☐=4で長方形APTSの面積は4×4=16
16=1×16,2×8より
aは((1+4)+(16+4))×2=50と((2+4)+(8+4))×2=36

(3)同じように
(a÷2)×☐=2×aから☐=4で長方形APTSの面積は4×4+8=24になればよいので
24=1×24,2×12,3×8,4×6よりaは
((1+4)+(24+4))×2=66,((2+4)+(12+4))×2=44,((3+4)+(8+4))×2=38,((4+4)+(6+4))×2=36
とわかりました。


○大問5
一辺の長さ4cmで中身がつまった2つの立方体A,Bがあります。立方体Cは一辺の長さが12cmで,はじめ,図のように立方体Aの上面は立方体Cの上面の㋐に,立方体Bの上面は立方体Cの上面の㋒に重なっています。立方体Aは回転することなく一定方向に進み,下面が立方体Cの下面の㋑に到着しました。そののち,立方体Bは回転することなく一定方向に進み,下面が立方体Cの下面の㋓に到着しました。このとき,立方体Aが通過した部分をX,立方体Bが通過した部分をYとして,XとYが重なった部分をZとします。
H31nada2-5-m1.jpg


(1)右の図は,立方体Cの下面から9cmの高さにある平面でZを切ったときの真上から見た切り口をかき入れたものです。その平面と面PQRSの交わりを太線で表しています。立方体Cの下面から8cm,7cm,6cmの高さにある平面でZを切ったときの真上から見た切り口を,右の図にならってそれぞれかき入れなさい。
H31nada2-5-m2.jpg

解答欄
H31nada2-5-m3.jpg


(2)Zのうち,立方体Cの下面から8cmの高さにある平面と10cmの高さにある平面ではさまれた部分の体積を求めなさい。

(3)Zのうち,立方体Cの下面から6cmの高さになる平面と8cmの高さにある平面ではさまれた部分の体積を求めなさい。



[解説]
類題が難関校でよく出ている問題です。
灘で出やすい分野、お題です。
XとYの共通部分の立体を考えて断面を調べるのではなく,XとYそれぞれの断面を考えてその共通部分を調べる
上面と下面の通過部分を考える
しっかり練習しておけばアプローチに迷うことはなかったと思います。

(1)XとYを別々に断面を考えてから共通部分をとります。
H31nada2-5-kaisetu3.jpg
H31nada2-5-kaisetu4.jpg
H31nada2-5-kaisetu5.jpg

断面において動かす立方体の上面が通ったところ,下面が通ったところを描いて対応する頂点を結べば断面ができます。
青がXの断面,赤がYの断面です。
青と赤の共通部分が求める断面になります。

(2)共通部分をイメージするのではなく断面を元に共通部分の立体をとらえます。
高さ8cm,9cmの断面はかいているので10cmの断面を考えてみると
H31nada2-5-kaisetu6.jpg
高さ10cmは立方体A,Bの最初の位置の下面より上なので,下面が最初の位置であると考えて描けばよく図のようになります。

XとYの共通部分は図の黒い線になります
これら高さが8cm,9cm,10cmの断面図から,黒い点が同じ位置にあることに注意して立体の図を描いてみます。
H31nada2-5-kaisetu1.jpg
底面積が4×2÷2=4cm^2,平均の高さが(4+4+4)÷3=4cmの断頭三角柱の部分と
青い部分の底面積が4×2÷2=4cm^2高さが2cmの三角すいに分けて考えて

4×4+4×2÷3=56/3cm^3
とわかります。

(3)高さ6cm,7cm,8cmの断面の図から考えて黒い点が同じ位置であることに注意すると
図のようになります
H31nada2-5-kaisetu2.jpg
対角線の長さが8cmずつの正方形を底面とした高さ2cmの直方体から
底面積が4×2÷2=4cm^2,高さが2cmの青い三角すい3つを取り除いて
8×8÷2×2-4×2÷3×3=56cm^3

とわかりました。

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灘中学校 算数(2日目)2019(H31)入試分析 その2

2019.02.16 18:37|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田です。
前回の灘中学校、2019年度算数2日目大問1と大問2に続いて大問3をとりあげます。

ただ単に頂点を通った光はどこに到達するか考えて結べばいいだけの問題ではなく,辺を通った光がどう到達するか考えないといけない問題なので,曖昧な理解を明確な理解にレベルアップさせてくれる非常に良い問題です。
きちんとした論理の組み立てとしては算数に役立つ数学的な空間図形で勉強になります。


○大問3
右の図のように,板①と板②が垂直に置かれています。板①と板②のつなぎ目の直線をXYとします。板①にかかれた正方形ABCDは一辺の長さが10cmです。また,直線ADと直線XYは平行で,ABとXYが交わる点をEとすると,AEの長さは10cmです。BFは長さが10cmで,板①に垂直であり,点Fに電球が置かれています。電球の大きさは考えないものとします。
H31nada2-3-m1.jpg

(1)
一辺の長さが10cmの正方形の板を,板②と平行に,1つの辺がADと重なるように置きます。板①と板②にできるこの正方形の板の影の面積の和は
[   ]cm^2です。ただし,板は光を通さず,板の厚さは考えないものとします。
H31nada2-3-m2.jpg

(2)
底辺の長さが10cmで高さが10cmの二等辺三角形の板を,板②と平行に,底辺がADと重なるように置きます。板①と板②にできる二等辺三角形の板の影を,例にならって右ページの上の図にかきいれなさい。
H31nada2-3-m3.jpg


H31nada2-3-m4.jpg


H31nada2-3-m5.jpg
解答欄

(3)
一辺の長さが10cmの正方形を底面とし,高さが10cmである四角すいの石像を,底面が正方形ABCDと重なるように置きます。この四角すいのA,B,C,D以外の頂点をOとすると,OA,OB,OC,ODの長さはすべて等しくなっています。この四角すいの石像の影が板①と板②にできます。
H31nada2-3-m6.jpg

(ア)板①と板②にできる四角すいの石像の影を,(2)の例にならって右の図に書きいれなさい。
H31nada2-3-m5.jpg
解答欄

(イ)板①と板②にできる四角すいの石像の影の面積の和を求めなさい。ただし,正方形ABCDは含めません。



[解説]
(1)は図のように真上から見た図でFとA,FとDを結んで直線を引いてXYとの交点E,E'をとり,AとDとEとE'と板②のFの影の2点の各点を結べばよく図のようになります。
H31nada2-3-kaisetu1.jpg

これで面積は20×20-10×10÷2=350cm^2と出せます。

ただ(2)と(3)では板①や②に垂直または平行ではない辺が出てくるので,影はどう求めればいいかできるもう少しはっきりさせる必要があります。

そこで辺による影が影の境界になるので
その辺の両端の点と点Fの3点を通る平面を考えて,その平面と板①や,その平面と板②の交線(平面が交わって出来る直線)が影の境界になります。

(2)
H31nada2-3-kaisetu2_201902161841476bb.jpg
二等辺三角形の頂点Gとして辺GAによる影は,3点F,G,Aを通る平面との交線になると考えます。すると直線FGと板①は平行なので板①にできる境界は点Aを通り直線FGと平行な直線上になります。
同じように考えて辺GD側による境界も,点Dを通り直線FGと平行な直線上になります。
H31nada2-3-kaisetu3.jpg
板②の方は板①に出来た影の境界とXY上の交点と,光が点Gを通って板②に到達した点をそれぞれ結んでこのようにできあがります。

(3)同じように辺OAによる影は,3点F,O,Aを通る平面との交線になると考えます。すると直線FOと板①は平行なので板①にできる境界は点Aを通り直線FOと平行な直線上になります。
辺OD側も同じです。
H31nada2-3-kaisetu4.jpg

板②の方も同様にしてこのようにできあがります。

面積はマス目14個分より5×5×14=350cm^2とわかります。


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